『デルス・ウザーラ』公開40周年 『黒澤明 樹海の迷宮 映画「デルス・ウザーラ」全記録1971〜1975』(野上照代・他著/小学館)刊行記念特別上映会 黒澤明監督に感謝!
「七人の侍」1954年 東宝 監督:黒沢明
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。
打ち明け話。
なんと、黒沢明の作品は今まで「どですかでん」のDVDしか見たことがなかった。
いつか観ようと思いながら、いつでもレンタルで借りれる状況が鑑賞に踏み切れない原因でしょう。「七人の侍」だけは劇場で観ようと決めていましたが、今まで何度かの上映機会を発見したものの、長いし、なかなかスケジュールが合わなかったり、悪い癖で「また、今度ねぇ~」を決め込んでしまいがち。
つい先日、名作「羅生門」を鑑賞(未UP)して黒沢劇場デビューを果たしたので、やっぱり次こそ「七人の侍」を劇場で観ようと思ってたら、早速、新文芸座でかかっているのを発見。すかさず行く。「羅生門」から時間がたってなかった事も功を奏して行動に起こせた。
・・・・
恐れ入りました。これはとんでもない想像以上の作品でした。今更何を言っちゃってんのです。本当にすみませんでした。
野武士たちが眼下の百姓部落を襲う相談している冒頭。略奪に来る事を知り悲嘆にくれる百姓ども。たったこれだけなのに、何、このスクリーンから漲ってくるようなパワー。
志村喬。
いつだって渋くかっこ良い役の多い名優。しかし、ここまでカッコ良い志村喬は居ない。
島田勘兵衛。侍たちを束ねる年長のリーダー。実際、他の6人は勘兵衛の魅力うえに集結してるもんね。飯が腹いっぱい食えるだけでは集まらない。
年配だけど、ちゃんと走れる。走る志村喬が大きな見どころでしょう。
川向こうの家を捨てる事に反発した百姓たちをササっと追いかけるシーンが一番素晴らしい。このシーンは知ってましたけど、実際に見ると鳥肌もんでした。
剃った頭を撫でながら他の侍たちを笑顔で温かく見守る姿はいつも通りです。
七人、それぞれ素晴らしいですが、中で宮口精二のクールな久蔵。このキャラは後に多大な影響を与えていますよね。宮口精二も渋くて好きな役者さんですが、こんなクールな宮口精二は居ない。
野卑なトリックスター菊千代の三船敏郎。
この大スターさん、私の認識、思い込みが間違ってんのかな。少し修正する必要があるか。というのも、この人は子供の頃の「男は黙って・・・」CMのイメージが強すぎて、無口な二枚目とばかり思い込んでいた。でも、古い映画を見るようになって彼の出演作は、「ジャコ萬と鐵」での宴会芸、「羅生門」では菊千代のキャラに近かったか、「独立愚連隊」の壊れた隊長・・・
映画に欠かせないお色気担当は、ほんの僅かですけれど、津島恵子と島崎雪子が勤めます。充分じゃないですか。
木村功と土屋嘉雄は、なんともカワユイ。
何はともあれ、この娯楽活劇映画は、別格扱いする必要がある。
他にもある多くの優れた映画と比較すべきものではないでしょう。
やっぱり「荒野の七人」は見ておきたいですね。
必ず劇場鑑賞しておきたい日本映画がもう一本あります。そっちは何度もTV、ビデオで観ている同年の東宝作品「ゴジラ」であります。
池袋 新文芸坐
鑑賞後に福田里香のフード理論アプローチの評論を聞きました。なるほど、さらに百倍楽しめますね。
季節の捉えかたもしっかりしている。あの雨も理にかなってるんですね。
宇多丸が福田里香と『「七人の侍」は、最高の食育映画だ! 名作の裏にフード理論あり!』を語る
「七人の侍」1954年 東宝 監督:黒沢明
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。
打ち明け話。
なんと、黒沢明の作品は今まで「どですかでん」のDVDしか見たことがなかった。
いつか観ようと思いながら、いつでもレンタルで借りれる状況が鑑賞に踏み切れない原因でしょう。「七人の侍」だけは劇場で観ようと決めていましたが、今まで何度かの上映機会を発見したものの、長いし、なかなかスケジュールが合わなかったり、悪い癖で「また、今度ねぇ~」を決め込んでしまいがち。
つい先日、名作「羅生門」を鑑賞(未UP)して黒沢劇場デビューを果たしたので、やっぱり次こそ「七人の侍」を劇場で観ようと思ってたら、早速、新文芸座でかかっているのを発見。すかさず行く。「羅生門」から時間がたってなかった事も功を奏して行動に起こせた。
・・・・
恐れ入りました。これはとんでもない想像以上の作品でした。今更何を言っちゃってんのです。本当にすみませんでした。
野武士たちが眼下の百姓部落を襲う相談している冒頭。略奪に来る事を知り悲嘆にくれる百姓ども。たったこれだけなのに、何、このスクリーンから漲ってくるようなパワー。
志村喬。
いつだって渋くかっこ良い役の多い名優。しかし、ここまでカッコ良い志村喬は居ない。
島田勘兵衛。侍たちを束ねる年長のリーダー。実際、他の6人は勘兵衛の魅力うえに集結してるもんね。飯が腹いっぱい食えるだけでは集まらない。
年配だけど、ちゃんと走れる。走る志村喬が大きな見どころでしょう。
川向こうの家を捨てる事に反発した百姓たちをササっと追いかけるシーンが一番素晴らしい。このシーンは知ってましたけど、実際に見ると鳥肌もんでした。
剃った頭を撫でながら他の侍たちを笑顔で温かく見守る姿はいつも通りです。
七人、それぞれ素晴らしいですが、中で宮口精二のクールな久蔵。このキャラは後に多大な影響を与えていますよね。宮口精二も渋くて好きな役者さんですが、こんなクールな宮口精二は居ない。
野卑なトリックスター菊千代の三船敏郎。
この大スターさん、私の認識、思い込みが間違ってんのかな。少し修正する必要があるか。というのも、この人は子供の頃の「男は黙って・・・」CMのイメージが強すぎて、無口な二枚目とばかり思い込んでいた。でも、古い映画を見るようになって彼の出演作は、「ジャコ萬と鐵」での宴会芸、「羅生門」では菊千代のキャラに近かったか、「独立愚連隊」の壊れた隊長・・・
映画に欠かせないお色気担当は、ほんの僅かですけれど、津島恵子と島崎雪子が勤めます。充分じゃないですか。
木村功と土屋嘉雄は、なんともカワユイ。
何はともあれ、この娯楽活劇映画は、別格扱いする必要がある。
他にもある多くの優れた映画と比較すべきものではないでしょう。
やっぱり「荒野の七人」は見ておきたいですね。
必ず劇場鑑賞しておきたい日本映画がもう一本あります。そっちは何度もTV、ビデオで観ている同年の東宝作品「ゴジラ」であります。
池袋 新文芸坐
鑑賞後に福田里香のフード理論アプローチの評論を聞きました。なるほど、さらに百倍楽しめますね。
季節の捉えかたもしっかりしている。あの雨も理にかなってるんですね。
宇多丸が福田里香と『「七人の侍」は、最高の食育映画だ! 名作の裏にフード理論あり!』を語る