「一度はスクリーンで観ておきたい--ゴールデン名画劇場」
「羅生門」1950年 大映 監督:黒澤明
平安時代、侍の殺害事件を巡る三人の証言の食い違いが人間の愚かさを炙り出す。本作の国際的評価の高さが、黒澤と日本映画の世界的認知の契機となった。
「七人の侍」の少し前に観賞。
家元曰く、「ラッパもまだ元気だったころ」・・・
日本の映画が世界に初めて認められた記念碑的作品であることがあらためて良く解る。美点が解りやすい。
芥川はやっぱり凄いが黒沢と橋本忍(脚色)も尚凄い。藪の中だけに留まらず羅生門も合わせたところが白眉。
廃墟となった羅生門と豪雨の強烈なインパクト。
雨、風、日光。
ボレロ調の音楽。
食い違う多襄丸(三船敏郎)、真砂(京マチ子)、巫女による被害者武弘(森雅之)それぞれの証言に目撃していた杣売り(志村喬)の語りが加わる。
4名の異なる証言により、真砂の京マチ子が四様の美しさを見せる。
多襄丸のキャラは菊千代(七人の侍)に通じる。
森雅之も敵役、辱められた妻を蔑む目つきが恐ろしい。
多襄丸の証言中の決闘シーンと杣売りの語る決闘シーンがぜんぜん違う。後者のスマートさを欠くひっちゃかめっちゃかなリアリティ。
羅生門に駆け込んでくる下人、上田吉二郎だったんですね。気づきませんでした。確かにあの笑いは・・・
ラストで志村喬と旅法師の千秋実が幾度となくお辞儀をして別れる。こんなシーンも海外では興味を惹いたのでは・・・
芥川の題材が優れているので何度となく映画にもなっているようだけれど、これをやられちゃ、越えられないでしょう。
神保町シアター
映画でなく演劇の方で戸川純のやった「羅生門(1999年)」を観ましたがあれは良かったですよ。演劇を観賞する機会が少ない事もあるけれど斬新な演出に心奪われた印象的な体験でした。
「羅生門」1950年 大映 監督:黒澤明
平安時代、侍の殺害事件を巡る三人の証言の食い違いが人間の愚かさを炙り出す。本作の国際的評価の高さが、黒澤と日本映画の世界的認知の契機となった。
「七人の侍」の少し前に観賞。
家元曰く、「ラッパもまだ元気だったころ」・・・
日本の映画が世界に初めて認められた記念碑的作品であることがあらためて良く解る。美点が解りやすい。
芥川はやっぱり凄いが黒沢と橋本忍(脚色)も尚凄い。藪の中だけに留まらず羅生門も合わせたところが白眉。
廃墟となった羅生門と豪雨の強烈なインパクト。
雨、風、日光。
ボレロ調の音楽。
食い違う多襄丸(三船敏郎)、真砂(京マチ子)、巫女による被害者武弘(森雅之)それぞれの証言に目撃していた杣売り(志村喬)の語りが加わる。
4名の異なる証言により、真砂の京マチ子が四様の美しさを見せる。
多襄丸のキャラは菊千代(七人の侍)に通じる。
森雅之も敵役、辱められた妻を蔑む目つきが恐ろしい。
多襄丸の証言中の決闘シーンと杣売りの語る決闘シーンがぜんぜん違う。後者のスマートさを欠くひっちゃかめっちゃかなリアリティ。
羅生門に駆け込んでくる下人、上田吉二郎だったんですね。気づきませんでした。確かにあの笑いは・・・
ラストで志村喬と旅法師の千秋実が幾度となくお辞儀をして別れる。こんなシーンも海外では興味を惹いたのでは・・・
芥川の題材が優れているので何度となく映画にもなっているようだけれど、これをやられちゃ、越えられないでしょう。
神保町シアター
映画でなく演劇の方で戸川純のやった「羅生門(1999年)」を観ましたがあれは良かったですよ。演劇を観賞する機会が少ない事もあるけれど斬新な演出に心奪われた印象的な体験でした。