「60年代まぼろしの官能女優たち Part?」
「肉体の誘惑」1967年 葵映画 監督:西村儀一/脚本:原創一/撮影:池田清二/音楽:吉野達弥
出演:香取環、野上正義、森三千代、千月のり子、港雄一、大原譲二、佐藤信子
赤木圭一郎と同期日活第四期ニューフェイスの香取環は、独立プロに身を投じ多くの名演を残したが、葵映画専属時代にひとつのピークを迎える。夜の生活に不満を持つ上層階級の人妻が、プレイボーイたちの誘惑に抗え切れず堕ちていく。若き日の野上正義と港雄一が男を競う!
濃厚な夫婦生活を送っていた上層階級の奥様、香取環だったが夫が交通事故を機に不能に。夫婦協力して回復に務めようとするも思うようにならない夫は落ち込む。やがて1ヶ月間の海外出張に旅立った。
奥様はゴルフ練習場で親友の眼鏡美人(森三千代?)に現在ペットとして付き合っている学生(野上正義)を紹介される。
野上正義が香取環に一目惚れして強烈にモーションをかけ、言いよるが香取環は受け付けない。先日の無礼を詫びたいと公園に呼び出す野上正義。うかつにも公園に車で出向いてしまった香取環は抵抗空しく、海辺の車内で犯されるように関係を結んでしまう。ここで全裸で海に入っていく香取環の不明シーンあり。後ろ姿がなかなかグラマラス。
なおもシツコクつきまとう野上正義は、邸宅にまで押し掛けてくる。野上の求愛を凛とした態度で断固として拒む香取環であったが、「旦那にばらす」と開き直る野上を追いかけ、「私の事は忘れてください」と懇願。この話を聞いてしまった、お抱え運転手の港雄一も、手負いの獲物に食いつくように主人である奥様を、やはり「旦那にばらすぞ」と脅し、強姦。
お決まりの物語は、これよりいよいよ、拒絶し続ける奥様が肉体の誘惑に負け快楽を憶えて行くというのが常道だが、この物語はここで旦那の帰国する日、奥様が睡眠薬を飲み自殺してしまい完。
え〜!!、これからっていう所なのにぃ〜!
肉体は穢されながらも、心を許す事無く、愛する亭主に死を持って操を立てる所がこの作品の良い所。・・・としておきましょう。
今まであまり感心しなかった香取環。上流の奥様役はいかがなものかと危惧したが、これがなかなか。ひとつのピークを迎えたというだけの事はあります。特に押し掛けてきた野上正義に対し、遠く一点を見つめて無表情に凛とした態度で拒み続ける場面がよろしい。
親友の独身貴族、眼鏡ママに泥棒猫呼ばわりされ、絶交を告げられた時の空虚な表情もよろしかったです。
からみの方も実に濃厚で、密接させた顔、接吻と足のカットがほとんどではあるけれどネットリといやらしく撮られる。
亭主の不能を治そうと奮闘している豊満な体に滲み光る汗もモノクロ映像で綺麗に撮られています。
劇伴はまたしても吉野達弥のオルガン曲。当時の葵映画定番だったのでしょうか。ショック時にガーンと鳴り響くオルガン音が可笑しい。
あまり古さを気にせず、むしろ好ましく思う性質なので、充分楽しめる佳作でありました。
ラピュタ阿佐ヶ谷
「肉体の誘惑」1967年 葵映画 監督:西村儀一/脚本:原創一/撮影:池田清二/音楽:吉野達弥
出演:香取環、野上正義、森三千代、千月のり子、港雄一、大原譲二、佐藤信子
赤木圭一郎と同期日活第四期ニューフェイスの香取環は、独立プロに身を投じ多くの名演を残したが、葵映画専属時代にひとつのピークを迎える。夜の生活に不満を持つ上層階級の人妻が、プレイボーイたちの誘惑に抗え切れず堕ちていく。若き日の野上正義と港雄一が男を競う!
濃厚な夫婦生活を送っていた上層階級の奥様、香取環だったが夫が交通事故を機に不能に。夫婦協力して回復に務めようとするも思うようにならない夫は落ち込む。やがて1ヶ月間の海外出張に旅立った。
奥様はゴルフ練習場で親友の眼鏡美人(森三千代?)に現在ペットとして付き合っている学生(野上正義)を紹介される。
野上正義が香取環に一目惚れして強烈にモーションをかけ、言いよるが香取環は受け付けない。先日の無礼を詫びたいと公園に呼び出す野上正義。うかつにも公園に車で出向いてしまった香取環は抵抗空しく、海辺の車内で犯されるように関係を結んでしまう。ここで全裸で海に入っていく香取環の不明シーンあり。後ろ姿がなかなかグラマラス。
なおもシツコクつきまとう野上正義は、邸宅にまで押し掛けてくる。野上の求愛を凛とした態度で断固として拒む香取環であったが、「旦那にばらす」と開き直る野上を追いかけ、「私の事は忘れてください」と懇願。この話を聞いてしまった、お抱え運転手の港雄一も、手負いの獲物に食いつくように主人である奥様を、やはり「旦那にばらすぞ」と脅し、強姦。
お決まりの物語は、これよりいよいよ、拒絶し続ける奥様が肉体の誘惑に負け快楽を憶えて行くというのが常道だが、この物語はここで旦那の帰国する日、奥様が睡眠薬を飲み自殺してしまい完。
え〜!!、これからっていう所なのにぃ〜!
肉体は穢されながらも、心を許す事無く、愛する亭主に死を持って操を立てる所がこの作品の良い所。・・・としておきましょう。
今まであまり感心しなかった香取環。上流の奥様役はいかがなものかと危惧したが、これがなかなか。ひとつのピークを迎えたというだけの事はあります。特に押し掛けてきた野上正義に対し、遠く一点を見つめて無表情に凛とした態度で拒み続ける場面がよろしい。
親友の独身貴族、眼鏡ママに泥棒猫呼ばわりされ、絶交を告げられた時の空虚な表情もよろしかったです。
からみの方も実に濃厚で、密接させた顔、接吻と足のカットがほとんどではあるけれどネットリといやらしく撮られる。
亭主の不能を治そうと奮闘している豊満な体に滲み光る汗もモノクロ映像で綺麗に撮られています。
劇伴はまたしても吉野達弥のオルガン曲。当時の葵映画定番だったのでしょうか。ショック時にガーンと鳴り響くオルガン音が可笑しい。
あまり古さを気にせず、むしろ好ましく思う性質なので、充分楽しめる佳作でありました。
ラピュタ阿佐ヶ谷