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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「悪女の季節」

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「渋谷実のおかしな世界 The Bizarre Warld of Minoru Shibuya」

「悪女の季節」1958年 松竹 監督:渋谷実

老実業家の泰雄の財産を巡って、内縁の妻・妙子とその娘、妙子も元愛人、殺し屋秋ちゃんなど欲の皮が突っ張った奴らが争奪戦を繰り広げるスラップスティック・サスペンス。油ものを沢山食べて精力を養う泰輔を東野英治郎が大熱演。終盤の破壊的展開に開いた口が塞がらない怪作!

これまたチラシ紹介にあるようにとんでも展開のカルト作品。
ただ全体的にテンポが悪いからなのだろうか、カルト作品として決して質が高いとは言えない。かまされるギャグも頑張っているんだが今一つ笑えない。

役者陣の描き出す各キャラが面白いので、どうにか恰好は付く。

山田五十鈴の出演作は多くは見ていないのだけれど、今回はビックリ。こんな役やっていたんですね。コメディも行けるんだ。
これはもう鑑賞作品が少ないのに言うのも何ですが、「女ひとり大地を行く」と対照を為す山田五十鈴代表作って事に決めました。素晴らしい!
大柄グラマラスボディを和服に包み、シナを作るは、猫撫声で甘えるは、巧みに女の涙を操るは・・・
入浴シーンのサービスもありまっせ。

さて、お目当て岡田茉莉子1958であります。
一番綺麗な頃の茉莉ちゃん・・・、あれ?美人だけど今回はさほどでもないかな。ウーム、いかんいかん、個人的に1958岡田茉莉子を神格化しすぎていたか?
今回、山田五十鈴の娘役、またしても薬剤師。
母親の家に現れてから、終始、けだるそうに「ママぁ~」なんて甘えた声。今回はこういうキャラで行くのかと興味深く見ていたら、東野英治郎に手切れ金替わりに百万円ねだるシーンでジャガーチェンジ!
岡田茉莉子ならではの、いつものサバサバタイプ。
そこからはもう岡田茉莉子が破壊的展開の中を疾走します。



眼球目当ての片目の運転手で妙子の元愛人が伊藤雄之助。今回も例によっての怪演。
新人の杉浦直樹が岡田茉莉子といとこ同士で恋に落ちる。こちらの狙いは亡き両親の敵討ち。

岸田今日子の出演も楽しみにしていたが、こちらは極めてチョイ役で残念。

破壊的展開は別荘に行く段から加速度を上げる。
山道でキスしたまま転落死したアベックを「ハレルヤ!」で賑やかに送る若者たち。なんかおかしな方向へ進み始めてきてますよ。
そして殺し屋秋ちゃんが、いい仕事をしてくれるんですよね。



という事でかなり楽しめるんですけどね。前に見た「二人だけの砦」が素晴らしすぎたんで、辛口にならざるを得ない。



シネマヴェーラ渋谷

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