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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「うらめしや~、冥途のみやげ展」

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ちょっとしたドジをやらかして2日連続上野の西洋美術館に足を運ばにゃならなくなった。この暑いのに・・・
それじゃあって事で「ボルドー展」の半券があると100円割引っていう「うらめしや~、冥途のみやげ展」の東京芸大まで足を伸ばす。っていうかボルドー展よりこっちの方が面白そうではないの。
実際、昨日のボルドー展より若干客の入りが良いようです。混雑というほどではありません。

「うらめしや~、冥途のみやげ展」
東京芸術大学大学美術館

東京・谷中の全生庵には怪談を得意とした明治の噺家三遊亭圓朝(天保10〈1839〉-明治33〈1900〉ゆかりの幽霊画50幅が所蔵されています。本展は、この圓朝コレクションを中心として、日本美術史における「うらみ」の表現をたどります。



展示は4章からなり、全生庵所収の圓朝遺品の数々をみせる「圓朝と怪談」、幽霊画コレクターでもあった圓朝による「圓朝コレクション」、歌舞伎など芝居絵を中心とした「錦絵によるうらみの系譜」幽霊画がそのまま美人画になっていく、選りすぐりの名作集「うらみが美に変わる時」

これだけずらりと幽霊の(幽霊とは関係無いだろうと思えるものも数点ありましたが)掛け軸が並ぶというのも、なかなか無いですね。
この掛け軸に囲まれ怪談噺とか演出すると面白そうですけど、そこはそれ、当然一龍斉貞水が呼ばれて先週開催されたようです。ぬかりはありません。

男のうらみよりも(小幡小平次は良いですが)やはり女の、それもとびっきり美人の幽霊画が良いですね。
崇徳院のうらみを描いたものもありました。「瀬をはやみ~」と歌いながら半泣きで床屋を回る絵ではありません。恋しい人に会えないうらみなんですね。青い顔の崇徳院が恐ろしいです。

今回のミス幽霊はダントツで鰭崎英朋の「蚊帳の前の幽霊」
今回、歌川国芳とか月岡芳年の作などが多く展示されていますが鰭崎英朋という画家はこれ一作ですね。
月岡芳年では「幽霊の図 うぶめ」のバックシャン美人ぶりが艶めかしくエロチックでした。
他にも伊藤晴雨の幽霊図もありましたが縛られてはいませんでした。
幽霊といえば円山応挙ですがね・・・、幽霊の割にふくよかなような気が・・・

本展示は期間によって展示入替が多くあります。「うぶめ」が見れるのは私の行った2日が最後だし、メインビジュアルに使われ強烈なインパクトを持つ上村松園の「焔」はメインビジュアルのくせに9月1日からの展示のため、この日は見れませんでした。

他にも、気になる曽我蕭白は「柳下鬼女屏風」のみの展示で、もう一品「美人図」が見れるのは8月18日以降。

この辺は2,300円の図版で我慢するか、後半もう一度足を運んで観賞するかという選択になります。金額的にも生観賞できる後者を選択。
気が変わらなければもう一度来たいと思っています。



グッズ・コーナーにて、図版は例によって高いのでポストカードを3点ほど「冥途のみやげ」として購入。暑中見舞いに使いましょうか?



怖い女の幽霊 松本楓湖「花篭と幽霊」 


歌川広重「瞽女の幽霊」現代の怪奇劇画でも通用しそうな画風。


鰭崎英朋 「蚊帳の前の幽霊」

「幽霊の図 うぶめ」のポストカードは売ってませんでした。



なお、この展示企画は2011年に予定されていた所、東日本大震災の発生で流れてしまった経緯があり、今回4年ぶりに実現した企画との事。

9月13日まで。

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