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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「インサイド・ヘッド」吹替版

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「インサイド・ヘッド」吹替版 2015年 米 監督:ピート・ドクター
原題:INSIDE OUT

11歳の少女の頭の中を舞台に、喜び、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみといった感情がそれぞれキャラクターとなり、物語を繰り広げるディズニー/ピクサーによるアニメ。田舎から都会への引っ越しで環境が変化した少女の頭の中で起こる、感情を表すキャラクターたちの混乱やぶつかり合いなどを描く。
田舎町に暮らす11歳の女の子ライリーは、父親の仕事の影響で都会のサンフランシスコに移り住むことになる。新しい生活に慣れようとするライリーの頭の中では、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカたちが、ライリーの幸せのためという強い気持ちが原因で衝突していて……。

ピクサー・アニメならそうそう外す事もなかろうという事で観て来ました。
レイトの時間帯なのに吹替版。今やトレンドで吹替版はお子様のためのものじゃないんですね。その件については後の方で・・・

ピクサー映画を全て観てるわけじゃないけど、いくつか観たピクサー作品の中で最もおっさんを泣かせましたな。
脳内のそれぞれの感情が擬人化され、ヨロコビとカナシミといった人間特有の高度な感情を中心とした脳内アドベンチャー。この設定を使って巧みに心理学や脳科学の事を解りやすく表現。もちろん、ちょっと苦しいところはあるんだろうけど、その面白さにスンナリ入れたし。
監督が冒頭に出てきて「これはあなたの物語です」と自信たっぷりに語るのだけれど、確かに誰しも持つ5つの感情、その他脳内登場人物たち。幼い頃の思い出や自分のキャラクター・人格がどのように形成されていったのか等々、観賞後に自然と自分の事を語りたくなる、そんな作品。
ですが・・・、自分はカミングアウトしませんよ。その手には乗らぬ。

大人も楽しめるアニメ作品という言葉があるけれど、これは子供も楽しめるアニメ作品と言いたくなる。
人格や感情、脳科学の事は子供には理解できないだろうから、観賞前後に解説をしてやる必要があるでしょう。でももっと小さなお友達なら、5人のキャラが想像力豊かな空間で不思議な大冒険をしているだけでキャッキャッと喜べるでしょう。


実際、こんなシーンが大好き。
「危険・立ち入り禁止」の駅への近道に入っていくと段階を追って肉体がキュビズムになりどんどん抽象化され、最後には一本の棒になってしまうなんて・・・。恥ずかしながらあれが脳科学的に何を意味するのかよく解らなかったのですけど、面白いですもん。


こちらはパパの脳内司令塔から見た食卓のママ。当然ママやパパの脳内にもヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカが居る。
嫁の話を聞いてなくて、送ってくるサインにやっと気づいて。パパの脳内キャラがうろたえるシーンも共感強い場面ですね。

幼い頃の想像の友達ビンボンの存在が泣かせるんですね。想像力で困難を突破!繰り返し繰り返し歌いながら挑戦するヨロコビを後押し。
しかし、幼い頃の想像の友達は、当然・・・・

各感情を擬人化しているので、ちょっとややこしい事になりますね。
人間は感情のバランスが良ければ良いほど人格的にも優れているわけで、ヨロコビ一辺倒、カナシミ一辺倒の人は、ある種かたわものです。
いつでも前向きで明るいヨロコビは常に司令塔での主役を張る立場だけれど、これが本当の人だったらかなりヤバイ。
果たしてヨロコビ自体の脳内はどうなっているのか?という入れ子構造に思いを馳せていると、ヨロコビがなんと泣きだしますね。ここは涙腺決壊第二弾です。

ヨロコビ一辺倒のある種傍迷惑な彼女、元はと言えばライリーの大事な場面(転校挨拶)で失敗はできないとカナシミをサークルの中に閉じ込めて「出てこないで」と命令する。カナシミを無理に押し込めた事によってライリーの感情はバランスを崩し、転校デビューに失敗。
そんなヨロコビが前向きに対応しながらもところどころでウザったがっているのが解るカナシミに対する態度。そんなヨロコビがカナシミの必要性に気づく。ライリーとともにヨロコビも成長したって事でしょうか。

五つの感情の中で扱い的にもちょっと難しいのがムカムカの存在。でもキャラの中で一番大人っぽい彼女が魅力的なんですよね。
ムカムカにウザったがれ罵られたい・・・。



吹替版での観賞。最初にドリカムの歌と日本人の子供たちのスチールが延々と流れ、なんだか嫌な予感。
やはり字幕版にするべきかと思ったもんです。字幕版でドリカムの扱いはどうなんでしょうか。
とにかく前座、前ふりがやたら長くて困ったもんです。

アニメの中に出てくる新聞やサイン表示も今の技術なら簡単に日本語に差し替えられる。画面に登場する立入禁止や思春期の文字がとても違和感を放ちますね。字幕の読めないお子様向けであればこのような文字情報の細工は必要ないのすが・・・「字幕読むのが面倒なのよね」という大人に対してのサービス?
吹替え版であっても、そこは英文のままにして字幕で日本語入れて欲しい。アニメに細工をしないで欲しいと思う自分はやっぱり字幕派なんでしょうね。



間違いなく本年度上位に入ってくる傑作でした。



MOVIX川口

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