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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「霧子の運命」

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伝説の美女、魅惑の独演
「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第78弾」 岡田茉莉子」

「霧子の運命」1962年 松竹 監督:川頭妓朗

松本霧子は妾の子として生まれ、継母や祖父、義妹たちに疎まれていた。性格がひねくれた霧子は、学校でも先生や生徒にいじめられた。中学を卒業した霧子は温泉旅館の女中を経て、東京のバーで働くことになった。一年前から店に通うようになった宇佐見という男が、人を殺して金を奪ったと霧子のアパートに逃げ込んできた。宇佐見と一緒に死ぬことを決意した霧子は、石廊崎を自殺場所に決め、先に宇佐見を下田へ行かせた。自分は金を都合するため故郷へ帰るが、すでに村では霧子が殺人犯の情婦だという噂が立っていた。村人たちは村の名誉を汚した霧子を、自分たちの手で捕らえようと山狩りを始める。

ひねくれ女の哀しい一代記だけれども、この映画を観た人のほとんどが思うんじゃないか?あの子役のキャスティングはいいたいどうした事なのか。
女性が年頃になるとまるで蝶が羽化するように美しくなる事ってのはあるけれど、あの娘が年頃になって岡田茉莉子になるというのどう転んでも脳内で破綻をきたしてしまうよ。
霧子に子供の頃、助け舟を出した田村少年(武内亨)やマラソン大会で霧子がエールを送った嘉十(田村高弘)がそれぞれ子役との継承がすんなりくるだけに(嘉十は顔の痣によりますけど)違和感大。

岡田茉莉子の演技、表情が実に良いです。
殺人を犯して逃げてきたダメ男・宇佐美(吉田輝雄)の頭を抱きながら文句を言いながらも自分を頼ってくれた事でズルズルと行く感じ。
故郷の山間で幼馴染の嘉十と出会った時の表情なんかも秀逸。
宇佐美と二人が逃避行を始める線路沿いの道、その他、石廊崎などのロケ地選びも魅力。

でも、この物語は宇佐美の吉田輝雄なくして成立しませんね。あの二枚目のダメさ加減はこの人ならでは。好きな女の名を叫びながらの最期なんかも笑っちゃうけど、素晴らしいです。吉田輝雄出演作の中でも最も似合っている役と思えました。

小学校の頃、イケてない子供が青年期を迎えてそれなりにいい男(女)になっても、同級生にとっては結局当時のイメージが変わらない残酷さが上手く出ているところが好きな作品。



このところ観てきた岡田茉莉子キャラのマンネリ感から抜けて久々に良かった。1962年、美しさもまだ保たれていますし。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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