「映画は旅である ロード・ムーヴィーの世界」
「イン・トゥ・ザ・ワイルド」2007年 米 監督:ショーン・ペン
1992年アラスカの荒野で死体で発見された青年クリスの青春と放浪を描いたジョン・クラカワーによるノンフィクションの映画化。お坊ちゃん育ちで極端な理想主義の優等生の自分探し、では片づけられないクリスの切実な魂の彷徨と過酷な旅程そして人々との出会いをアメリカの雄大な自然の中で描いた、ショーン・ペンの最高傑作。
これこそ男の子映画。
難点を言えば、主人公のクリスくんがカッコ良すぎる。優秀な成績で高校を卒業する頭の良さ、物質文明に反抗する形で選んだ、何もかも車、金さえも捨てて荒野に旅立つ、若さ故の無謀と紙一重の勇気とサバイバルな才覚。ほとんど経験のないカヌーで急流は無届ノーヘルで越えるは、失敗に終わるがヘラジカの仕留めて解体するナイフ、旅で出会う人々との関わり方、16歳の美少女歌姫の据膳は食わずに大人の対応するし・・・
少しカッコ悪いところと言えば、旅立ちの動機のひとつである両親への感情くらいだ。
やはりダメ男好きとしては感情移入ストライクではない。
こちらが歳を取ってしまっている事もあって、むしろ、彼が出会う大人たちがとても良いのだ。
陽気で自由なウエイン、親世代のヒッピー夫婦。孤独な老人ロン・・・
特に最後の老人とのやりとりはグッとくる。
頑固な老人の重い腰をあげさせ、挑戦する勇気を与えたクリスくんに老人が息も絶え絶え山に登って、両親に対しての赦しのアドバイス一言。それに対するクリスのリアクションも最高。
読書家で日常でも多くの引用を使う彼だからこそ
大自然の映像の中に散りばめられた名言の数々・・・
人生において必要なのは実際の強さより強いと感じる心だ。
一度は自分を試す。
一度は太古の人間ののような環境に身を置くこと
自分の頭と手しか頼れない過酷な状況に一人で立ち向かうこと。
"幸せが現実になるのは それを誰かと 分かち合ったとき"
もう、この旅は終結寸前だったのだろうが、極限まで遂行しようとした彼に荒野の罠が襲いかかった。
家族の元に戻ったイメージと空が重なる。
これはとても深い映画なので、若い頃に出会って歳とってから再見するのがベストかもね。
2007年、青春で出会い感銘を受けた人は3、40年後にもう一度観る楽しみがある。羨ましい。
シネマヴェーラ渋谷
「イン・トゥ・ザ・ワイルド」2007年 米 監督:ショーン・ペン
1992年アラスカの荒野で死体で発見された青年クリスの青春と放浪を描いたジョン・クラカワーによるノンフィクションの映画化。お坊ちゃん育ちで極端な理想主義の優等生の自分探し、では片づけられないクリスの切実な魂の彷徨と過酷な旅程そして人々との出会いをアメリカの雄大な自然の中で描いた、ショーン・ペンの最高傑作。
これこそ男の子映画。
難点を言えば、主人公のクリスくんがカッコ良すぎる。優秀な成績で高校を卒業する頭の良さ、物質文明に反抗する形で選んだ、何もかも車、金さえも捨てて荒野に旅立つ、若さ故の無謀と紙一重の勇気とサバイバルな才覚。ほとんど経験のないカヌーで急流は無届ノーヘルで越えるは、失敗に終わるがヘラジカの仕留めて解体するナイフ、旅で出会う人々との関わり方、16歳の美少女歌姫の据膳は食わずに大人の対応するし・・・
少しカッコ悪いところと言えば、旅立ちの動機のひとつである両親への感情くらいだ。
やはりダメ男好きとしては感情移入ストライクではない。
こちらが歳を取ってしまっている事もあって、むしろ、彼が出会う大人たちがとても良いのだ。
陽気で自由なウエイン、親世代のヒッピー夫婦。孤独な老人ロン・・・
特に最後の老人とのやりとりはグッとくる。
頑固な老人の重い腰をあげさせ、挑戦する勇気を与えたクリスくんに老人が息も絶え絶え山に登って、両親に対しての赦しのアドバイス一言。それに対するクリスのリアクションも最高。
読書家で日常でも多くの引用を使う彼だからこそ
大自然の映像の中に散りばめられた名言の数々・・・
人生において必要なのは実際の強さより強いと感じる心だ。
一度は自分を試す。
一度は太古の人間ののような環境に身を置くこと
自分の頭と手しか頼れない過酷な状況に一人で立ち向かうこと。
"幸せが現実になるのは それを誰かと 分かち合ったとき"
もう、この旅は終結寸前だったのだろうが、極限まで遂行しようとした彼に荒野の罠が襲いかかった。
家族の元に戻ったイメージと空が重なる。
これはとても深い映画なので、若い頃に出会って歳とってから再見するのがベストかもね。
2007年、青春で出会い感銘を受けた人は3、40年後にもう一度観る楽しみがある。羨ましい。
シネマヴェーラ渋谷