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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「拳闘屋キートン」

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「映画史上の名作14」

「拳闘屋キートン」1926年 米 監督:バスター・キートン HDデジタル上映

召使いを引きつれ田舎へ向かった御曹司アルフレッド・バトラーは、地元美人と結婚するため同姓同名のボクサーのフリをするが・・・。ボクサー、アルフレッド、執事という3人のバトラーが大奮闘する大ヒット作。

映画史上の名作恒例のキートン作品。拳闘物とあって大いに期待していたけれど、これはキートン作品としてはちょっと低調気味だったな。
前半、かなり眠かったってのもあるけれど。
いよいよ、コーチとのスパーリングで身体能力を使ったギャグ連発に期待するも、案外、普通。勿論会場から笑いも起こるし、自分も笑ったけど、キートンの抱腹絶倒さってこんなもんじゃないでしょ。

案外好きだったのは、何故かハンチング帽を被っての、コーチ、執事とのランニングシーン。モノクロサイレントの中の風景に魅かれる。
執事のスニッツ・エドワーズが小男、シワクチャ猿顔でとても良い味を出しているものの、主演はあくまでキートンなので暴走は抑制されている。この作品に於いては1度くらいはキートンを上回るキャラとして爆発してくれても良かったと思う。

ただ、観賞後にシネマヴェーラのチラシを読み返して、2人のアルフレッド・バトラーに執事を加えて3バトラーという事に初めて気づいた。そういう洒落に0.5点評価UPじゃ。

終盤のロッカールームでの拳闘。スコセッシも「レイジング・ブル」で参考にしたという白熱の攻防。ただ、3週間トレーニングの素人キートンの腰ぬけからの突然変異ぶりは本物のバトラーに対してのちょっとした怒りが契機となるようだけれど、やはり説得力に欠けるわな。

ボクシングは殴り合いなので古今東西ギャグとして有効なものが多い。当時の米国でも人気スポーツだったようで、チャップリン、ロイドもボクシング物を作ってる。
私の一番好きなボクシング・コントはサイレントじゃないけどモンティ・パイソンでのカンガルー対女子ボクサーのシークエンス。微かな記憶ではモノクロ・サイレント調で撮られていたような気もするが、記憶違いかも。
あと、ゲバゲバでの宍戸錠さんと朝丘雪路さんとの茶の間で夫婦が殴り合うシークエンスも大好きでした。
そういう意味でも本作のキートンはちょっと期待はずれ。



シネマヴェーラ渋谷

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