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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「真夜中の妖精」

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「映画作家 田中登」

「真夜中の妖精」1973年 日活 監督:田中登

カナリアが客を取るスナックに、金持ち宅で強盗を働いてきた一夫が現れ・・・。客を「お父さん」と呼ぶ頭の弱い少女カナリアとブルジョアを憎む青年・一夫の運命的な出会いを描く青春ポルノ。アメリカン・ニュー・シネマを思わせる本作で、怒れる若者を演じる風間杜夫の素晴らしい演技は、後のブレイクを予感させる。

童謡「かなりあ」の冒頭部分「歌を忘れたカナリアは」の所だけを繰り返し繰り返し歌う、頭の弱い少女。こういう白痴的な役が妙に嵌る山科ゆり。
スナックでボコボコにされた強盗青年の一夫(風間杜夫)を拾って看病しながら「かなりあ」を歌っていると一夫が歌詞の続きを優しく歌って聞かせる。それを聞いて一夫を「お父さん」だと信じ込む。




歌を忘れたカナリアは後ろの山に棄てましょか
 いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは背戸の小薮に埋けましょか
 いえいえ それはなりませぬ
歌を忘れたカナリアは柳の鞭でぶちましょか
 いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀のかい
 月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す・・・・

ブルジョアを憎み、結婚寸前の娘を家族やフィアンセの前でこれでもかというほど犯しまくる風間杜夫。
演技は流石だけれど、白いジャケットに白いパンツスタイルの着たきり雀。あれは汚れ以上に臭いでしょうね。
蝋燭の煤で作ったサングラス。

親族の前で何度犯されても、世間体と政略的見地で予定通り挙式をしようとするブルジョアにさらに「何故だ!おかしいだろ!」と逆上する。
犯される娘は「玉割り人ゆき」の潤ますみ  
風間杜夫を睨みつける目が素晴らしい。借金取りも追い返せそうだ。あんな目を見たのは小三治の「睨み返し」以来かもしんない。

大好きな益富信孝の演技を見ることができたのが一番嬉しい。



シネマヴェーラ渋谷

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