「生誕百年 映画監督 森一生」
「怪談蚊喰鳥」1961年 大映 監督:森一生
美しい常盤津の師匠・菊次(中田康子)、菊次に焦がれて死んだ按摩の辰の市(船越英二)の幽霊、その弟・徳の市(船越二役)、菊次のヒモ孝次郎(小林勝彦)が繰り広げる愛と欲にまみれた駆け引きの物語。
げに恐ろしき執念よなぁ。との怪談と認識して鑑賞していたが、これは妄執映画の傑作。怪談というよりも世話物としてお話も面白い。
高座で聴いてもみたいような・・・
なんといっても船越英二の按摩兄弟辰の市、徳の市(2役)特に弟、徳の市の偏執的性格を上手く演じている。
菊次を手に入れるまでの執拗な求愛。入り込んでの亭主面にも粘着質な所を大いに発揮してのずうずうしさ。
菊次と孝次郎によって騙されたと知り、ほうほうの態で一旦、逃げるも、即座に戻って2人にへつらい、兄が貯めた50両という金で菊次を我が物にしたいと申し出る。欲にくらんだ孝次郎と菊次によってナマズ料理に毒を盛られ毒殺される。しかしこれもなかなかコロっとは逝かず、充分恐ろしさを貯めるのですから、たまりません。
船越英二の盲人といえば盲獣を思い出しますよね。
偏執盲人を俳優の第一人者で好色な座頭市(勝新太郎)とは違った怪優ぶりにあらためて賞讃したい。
中田康子の常盤津の師匠も、丸髷に結ったりしてのむんむん色気は露出度が少なくとも充分楽しめる。
幽霊の正体を明かしてしまうラストはどうなんでしょう。怪談と銘打ったからには、世にも恐ろしい執念のままで終わらせる方が得策なんでは。肩透かしのがっかり感が残ってしまう。
でも、それでも面白いのだから、やはりタイトルに怪談としているのが残念・・・と思いつつ・・・。
蚊喰鳥とは蝙蝠の事だそうで、味のあるタイトルだ。
やはり蚊喰鳥の前に怪談を付けた方が純粋にタイトルとして秀逸なのだから、これでいいのだろう。
京橋 フィルムセンター
「怪談蚊喰鳥」1961年 大映 監督:森一生
美しい常盤津の師匠・菊次(中田康子)、菊次に焦がれて死んだ按摩の辰の市(船越英二)の幽霊、その弟・徳の市(船越二役)、菊次のヒモ孝次郎(小林勝彦)が繰り広げる愛と欲にまみれた駆け引きの物語。
げに恐ろしき執念よなぁ。との怪談と認識して鑑賞していたが、これは妄執映画の傑作。怪談というよりも世話物としてお話も面白い。
高座で聴いてもみたいような・・・
なんといっても船越英二の按摩兄弟辰の市、徳の市(2役)特に弟、徳の市の偏執的性格を上手く演じている。
菊次を手に入れるまでの執拗な求愛。入り込んでの亭主面にも粘着質な所を大いに発揮してのずうずうしさ。
菊次と孝次郎によって騙されたと知り、ほうほうの態で一旦、逃げるも、即座に戻って2人にへつらい、兄が貯めた50両という金で菊次を我が物にしたいと申し出る。欲にくらんだ孝次郎と菊次によってナマズ料理に毒を盛られ毒殺される。しかしこれもなかなかコロっとは逝かず、充分恐ろしさを貯めるのですから、たまりません。
船越英二の盲人といえば盲獣を思い出しますよね。
偏執盲人を俳優の第一人者で好色な座頭市(勝新太郎)とは違った怪優ぶりにあらためて賞讃したい。
中田康子の常盤津の師匠も、丸髷に結ったりしてのむんむん色気は露出度が少なくとも充分楽しめる。
幽霊の正体を明かしてしまうラストはどうなんでしょう。怪談と銘打ったからには、世にも恐ろしい執念のままで終わらせる方が得策なんでは。肩透かしのがっかり感が残ってしまう。
でも、それでも面白いのだから、やはりタイトルに怪談としているのが残念・・・と思いつつ・・・。
蚊喰鳥とは蝙蝠の事だそうで、味のあるタイトルだ。
やはり蚊喰鳥の前に怪談を付けた方が純粋にタイトルとして秀逸なのだから、これでいいのだろう。
京橋 フィルムセンター