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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「その夜は忘れない」

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「原爆と銀幕 止まった時計と動き始めた映画表現」

「その夜は忘れない」1962年 大映 監督:吉村公三郎

舞台は1962年の広島市。被爆から17年の歳月を経て、街は見事に復興を遂げた様に見える。被爆跡で目に付くものといえば、原爆ドームなど一部であり、戦後十七年の原爆記念特集号取材の為に広島へ出張した週刊雑誌編集記者・加宮恭介は少々肩透かしを食らう。そんな中、親友の菊田吾郎に誘われて訪れた店「あき」で早島秋子に出会う。
美しい着物を華麗に着こなす秋子の魅力に惹かれた加宮だが、彼女はどこか余所余所しい。加宮が東京へ戻る前日、秋子は自らの被爆体験を語り始める…。

7月観賞分

毎年、夏になると戦争映画の特集が組まれる。
こちらの特集上映期間、体調の悪さもあり、これ1本の観賞。まぁ、まとめて沢山観るよりも1年に1,2本づつのペースで良いと思う。

若き若尾文子の好ましき作品はあらかた観たように思うが、まだこれが残ってました。TOP画像の額に手を翳すスチールが印象的で若尾文子特集のメインビジュアルなどに良く使われる。ある意味代表作なのか?



着物の若尾文子の魅力は充分に楽しめるが、代表作というほどのものでは無い。
本作は1962年当時の広島の風景、人々を切り取った点にこそ価値がある。
1962年、被爆から17年の広島、町、人々の復調が思いの外逞しく、最早、取材しても戦争の影は見えないというのはある意味の見方としてありでしょう。傷跡は残っていても、皆、前を向いて歩んでいる。17年の歳月と当時自身が生まれたばかりの時期である事に思いを馳せる。

劇中、ケロイド顔の女性が加宮の取材に応える場面があるが、傷を秘めている秋子の影と対照的な明るさ。
社会派作品の側面で原爆の悲惨さをあらゆる角度から見せているだけに(握るとボロボロ崩れる石の描写は象徴的)
若尾文子が着物の胸をはだけて傷を見せる。かなり嘘っぽいのだけれど情事の前のエロさを超越したものがある。

江波杏子たちと広島市民球場で野球観戦するシーンあり。

実を言うとこの歳になるまで広島原爆記念公園を訪れた事が無い。
一生のうちに一度は尋ねなければという思いはあるが、本当はもっと若くピュアな時分に行っておくべきだったとも思う。
修学旅行は広島を越えて萩・津和野・北九だったからね。

いずれ、マツダスタジアムかエディオンスタジアムを引っ掛けて行ってみますか?



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