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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「おとろえぬ情熱、走る筆。 ピエール・アレシンスキー展」

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ポスターメインビジュアルの絵が目にとまり、行ってみようかと思っていたピエール・アレシンスキー展。気が付けば、もうすぐ終わってしまうではないですか。と言う事で最終週に行ったよ。

ピエール・アレシンスキー(1927~)は、ベルギー現代美術を代表する作家の一人。Wikiさえも無い。
何の知識も無いまま。
ベルギーの岡本太郎だとか・・・

抽象画を見るのは楽しいものです。どれか一つでも気に入る絵があると良いですが。
日本とも深い関わりを持ち、前衛書道家・森田子龍と交流を持ったりして墨を使うようになったり、イーゼルを使わず前衛書道家のように床に置いた紙に向かって即興的に筆を走らせる。また、コミックの手法を取り入れマンガのコマ割を使って見たり、キャンバスとして古書、伝票、手紙、航空図を使ってみたり拓本を取り入れたりいろいろ面白い事をやっていますな。

特徴的なのはやはりコミックのようなコマ割り。
大きな抽象画の周囲や下部に何コマか添えられる。
抽象画に意味を求めたい向きは、コマ割りが説明の役割を・・・果たしやしない。余計解らなくなるかも。ただ、抽象画に物語性を持たせる事にはなっているのは明らか。



アレシンスキーに額縁要らず。
自ら作品に枠組みをしたがる方のようで、コマもその一つ。
枠の中に納めていくので、芸術は爆発だ!という迫力にはやや劣る。デザイン性では非常に面白い。

抽象画の愉しみはその中に具象を発見する事。誰が見ても明らかな具象でも良いし、自分だけに見える具象でも良い。







その中にカッコいいものやカワイイものを見つければOKじゃ。
あと、好きな絵を探していくと、結局はそれは好きな色を探していただけだったりするのも呆れかえって面白い。

最初、アレシンスキーの抽象画は散漫な感じがして不安定で厳しい感じだったが、ピシッと枠に嵌められるようになってから好ましい物が増えて来ます。
色もパステル調から青インク、墨の黒とか、好ましくなってきます。

アレシンスキーさんは剥かれたオレンジの皮に興味を抱いたりするせいかヘビに見えるものが多いようです。
レッド・スネーク・カモンって事です。

ハナモゲラ文字的な作品なんかもありやす。



最後にアトリエでの紹介映像を見る。
やはりパブリックな空間に使われているものが素晴らしかったりする。



もう90近いので先は短いですが今も尚現役で走る筆は衰えません。
キャンパスの裏打ちとかまだご自身でやっているのかしら。


例によって図録は高いのでポストカードを数点買って帰る。
丸いのはやめといた。メンコかカンバッチにして欲しい。



一番飽きずに気に入った作品はポストカードにありませんでした。ポストカードでは小さすぎますけど
「覆い尽くす動き」エッチング、中国紙
モノクロの模様のようだけれど圧倒されました。そして飽きない。




渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム

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