「マイ・フェア・レディ」1964年 アメリカ 監督:ジョージ・キューカー
ロンドンの下町。花を売り歩いていた女性イライザ(オードリー・ヘップバーン)は、通りすがりの言語学教授ヒギンズ(レックス・ハリソン)に言葉の訛りを指摘され、彼の提案で訛りの矯正と淑女になるための礼儀作法を教わることに。そして、ヒギンズの家に住み込みながら厳しい指導を受けるイライザ。彼女はやがて、上流階級の貴婦人として競馬場へ赴き、社交界に華々しくデビューする。ところが、淑女らしさにますます磨きをかけていたある日、ヒギンズの研究対象にされていたことを知り、ショックを受けたイライザは彼のもとを去ってしまう…。
ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した「マイ・フェア・レディ」
TVでの放映を2度程見ようとしたが、途中で眠っちゃったり、だらけてしまい、まともに見てない。
だいたい競馬場での「ケツをひっぱたけ!」あたりまで。
ヘップバーンの映画だし、イメージとしてはオシャレで可愛いシンデレラ・ストーリー。女性向けの作品なんじゃないかと思っていた。
でも、今回まともに通しで観てみると、イライザ・ヘップバーンの魅力より、むしろ脇を固める男性陣のキャラに目が止まる。
まず、お父っつあん。スタンリー・ホロウェイ
貧乏を苦にもせず、女の釣針から餌だけを奪い取って逃げちゃおうと「With A Little Bit Of Luck」を歌い、
ヒギンス教授の余計な計らいで中産階級になってしまった事を嘆いてみせる。
まさに西洋版の熊さん八っつあん。
中産階級を嘆くなら、「お金を返せばよい」という娘の言葉に返した「この生活を捨てる勇気が無ぇんだ」が良かったね。
ヒギンズ教授にぶった貧乏人の道徳論も素晴らしいし、年貢納める前夜の「Get Me To The Church On Time」が最高!
ヒギンズ教授の方は、女心のまるで解らぬ独身主義者。
「どうして女は男のように振舞えないのだ」と「A Hymn To Him」を歌ってみせる。
ところがレディとして対等の立場と成長したイライザに対して恋心に気づき、嫉妬、強がり、の見苦しい態度が素敵なダメ男。
地団駄踏んだ後、呟くように歌う「I've Grown Accustomed to Her Face」が良い。
ミュージカル原作「ピグマリオン」ではイライザはフレディ青年と結婚するというストーリーだったらしい。
映画ではフレディと結婚させずに、イライザが最後にヒギンズ教授の元に戻る。
この解釈によってイライザとヒギンズの心内に、よりスポットが当たる事となり、それはそれで成功だろう。
でも、むしろ、その事によりストーカーソング「On the Street Where You Live」を歌うフレディの存在が本物のストーカー以外の何者でもない事になっている。これまた最高。
気に入りました。
オードリー・ヘップバーンは未だに当時のポートレイトがポスターなどに使われるシンボリックな美女で、私も時に、はっと見惚れてしまう事もしばしばなんだけど・・・。
この作品に関して言えば、下品なイライザにも、レディになってきらびやかな衣装をまとったイライザにも、大して魅力を感じる事ができなかった。
歌う気満々だったのに吹き替えられちゃったんだってね。
ミュージカルとして、名曲、名シーンのオンパレードで楽しい傑作ではありました。
編曲のアンドレ・プレヴィンはアカデミー編曲賞。(他部門でもにも多数受賞)
Shelly Manne & his Friends 「MY FAIR LADY」
ロンドンの下町。花を売り歩いていた女性イライザ(オードリー・ヘップバーン)は、通りすがりの言語学教授ヒギンズ(レックス・ハリソン)に言葉の訛りを指摘され、彼の提案で訛りの矯正と淑女になるための礼儀作法を教わることに。そして、ヒギンズの家に住み込みながら厳しい指導を受けるイライザ。彼女はやがて、上流階級の貴婦人として競馬場へ赴き、社交界に華々しくデビューする。ところが、淑女らしさにますます磨きをかけていたある日、ヒギンズの研究対象にされていたことを知り、ショックを受けたイライザは彼のもとを去ってしまう…。
ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した「マイ・フェア・レディ」
TVでの放映を2度程見ようとしたが、途中で眠っちゃったり、だらけてしまい、まともに見てない。
だいたい競馬場での「ケツをひっぱたけ!」あたりまで。
ヘップバーンの映画だし、イメージとしてはオシャレで可愛いシンデレラ・ストーリー。女性向けの作品なんじゃないかと思っていた。
でも、今回まともに通しで観てみると、イライザ・ヘップバーンの魅力より、むしろ脇を固める男性陣のキャラに目が止まる。
まず、お父っつあん。スタンリー・ホロウェイ
貧乏を苦にもせず、女の釣針から餌だけを奪い取って逃げちゃおうと「With A Little Bit Of Luck」を歌い、
ヒギンス教授の余計な計らいで中産階級になってしまった事を嘆いてみせる。
まさに西洋版の熊さん八っつあん。
中産階級を嘆くなら、「お金を返せばよい」という娘の言葉に返した「この生活を捨てる勇気が無ぇんだ」が良かったね。
ヒギンズ教授にぶった貧乏人の道徳論も素晴らしいし、年貢納める前夜の「Get Me To The Church On Time」が最高!
ヒギンズ教授の方は、女心のまるで解らぬ独身主義者。
「どうして女は男のように振舞えないのだ」と「A Hymn To Him」を歌ってみせる。
ところがレディとして対等の立場と成長したイライザに対して恋心に気づき、嫉妬、強がり、の見苦しい態度が素敵なダメ男。
地団駄踏んだ後、呟くように歌う「I've Grown Accustomed to Her Face」が良い。
ミュージカル原作「ピグマリオン」ではイライザはフレディ青年と結婚するというストーリーだったらしい。
映画ではフレディと結婚させずに、イライザが最後にヒギンズ教授の元に戻る。
この解釈によってイライザとヒギンズの心内に、よりスポットが当たる事となり、それはそれで成功だろう。
でも、むしろ、その事によりストーカーソング「On the Street Where You Live」を歌うフレディの存在が本物のストーカー以外の何者でもない事になっている。これまた最高。
気に入りました。
オードリー・ヘップバーンは未だに当時のポートレイトがポスターなどに使われるシンボリックな美女で、私も時に、はっと見惚れてしまう事もしばしばなんだけど・・・。
この作品に関して言えば、下品なイライザにも、レディになってきらびやかな衣装をまとったイライザにも、大して魅力を感じる事ができなかった。
歌う気満々だったのに吹き替えられちゃったんだってね。
ミュージカルとして、名曲、名シーンのオンパレードで楽しい傑作ではありました。
編曲のアンドレ・プレヴィンはアカデミー編曲賞。(他部門でもにも多数受賞)
Shelly Manne & his Friends 「MY FAIR LADY」