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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「四万人の目撃者」

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「世紀の大怪優 FANTASTIC 伊藤雄之助」

「四万人の目撃者」1960年 松竹 監督:堀内真直

白昼の球場、熱狂する大観衆の前で人気スラッガーが急死──。現場に居あわせた検事は、馴染みのベテラン刑事とともに事件を洗いはじめる。佐田啓二&雄之助コンビの息もぴったり、プロ野球界を舞台にした推理サスペンス。

四万人の大観衆が見守る中、セネターズの4番、キャッチャー新海、背番号25が長打を放ち三塁に滑り込んだまま動かなくなってしまう。狭心症による突然死と報じられるが、球場に居合わせた高山検事(佐田啓二)は不審を抱き、他殺の線を洗い始めるという・・・もうこれから始まるサスペンスはいったい、どのような事になっていくのかと、完全に引き付けられるのだが、その後の展開の意味不明、出鱈目ぶりにどんどん興醒めしていってしまう。
フィルム、音声の状態が悪くブチブチ途切れるのでがっかり度もいや増す。

そもそも、高山検事の抱く不審感に説得力がないうえ、結局、三塁塁上で新海選手が事切れたのは偶然だっていうんだから何をか言わんや。途中のお粗末な展開にいちいち突っ込みを入れる気にもならない。

サスペンスとしてはトホホだけれど、見るべきところが無いわけではない。

高岡検事と、その亡父に若いころ鍛え上げられたという笛木刑事(伊藤雄之助)のコンビネーションは楽しく、もっと納得の行く脚本の本格刑事ドラマであったらシリーズ化しても面白そう。
特に伊藤雄之助があくまでぼっちゃんを立てる立場であの飄々とした口ぶりで、何事ももソツのない敏腕刑事ぶりが魅力的。
野球にはまったく興味がなくても捜査がからめば一夜漬けで勉強して、いっぱしの野球通ぶりの口を利いたりするけれど、決して、野球の魅力に捕らわれたりはしない職人刑事ぶり。

オープニングでの当時の後楽園球場の俯瞰の絵から始まる球場風景に価値あり。
野球シーンは、実際のゲームの映像と映画で作った映像を合わせて見せる。
セネターズ矢後(杉浦直樹)の前で出塁する選手のユニフォームがGIANTSだったりするのもご愛嬌。読売巨人軍応援出演とある。
アンチGとしては対戦相手の方に目を凝らしてみたものの、気づきはなかった。グヤジィ。
矢後は背番号3なので、ヒットを打って走る実際のゲーム映像の後姿・・・あの3番であろう。
確かに子供のころから、あの人気選手と杉浦直樹の風貌には同類性を感じてたっけ。

あとは、若くて美しい岡田茉莉子。
新海選手の義妹で矢後選手と付き合っている長岡阿い子役だ。
新海選手の葬儀の場面で、高岡検事の解剖要求に目をむく登場シーンから、もう、お見事。
大きすぎる目が気になるが、気の強いお嬢さんの演技ぶりは大変よろしい。
それに、2度にわたっての杉浦直樹と濃厚なラブシーンがとってもとっても印象的GOOD!
この接吻は今見ても見応えあり。
その2回とも、不仕付けに乗り込んでくるのが高山検事なんだよね。

それにしてもこの高山検事、ほんと訳わかりませんから。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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