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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「未亡人どもの反乱 喪服でおもてなし」

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「未亡人どもの反乱 喪服でおもてなし」 エクセスフィルム 監督:坂本太
「全国未亡人連合 ‐極楽あそび‐」2003年改題

全国未亡人連合会巡回相談員の熊谷宗一郎を軸に展開される連作オムニバス。

第一話 金沢の未亡人
知世は、亡夫の初七日の法要も終わらないうちに、早くも保険外交員の仕事を始めた。それは亡くなった夫への悲しみを紛らわす為もあったがもう一つは、息子の伸治と出来るだけ顔を合わさない為でもあった。実は、知世は亡夫の火葬が終わったその夜、夫の連れ子だった伸治と夫の遺影の前で過ちを犯したのだ。ポッカリと空いた心の隙間に、知世をいたわる伸治の優しさがしみこんだ時、魔が差したのだ。知世を不安にさせたのは、伸治を求める感情が大きくなっている事だった。

第二話 京都の未亡人
真行寺君子は、一年前に亡くなった夫が残した小さなスナックを細々と守り続ける京都生まれの未亡人。何とか営業しているが、閑古鳥が鳴く日々。慰めは閉店後に、夫の遺影にこぼす愚痴と切ない自慰。君子は、夫の一周忌に、店を閉める事を考えていた。

第三話 秋田の後家さん 
男鹿冬美は、夫である日舞家元を亡くし間もなく四十九日の法要を控える未亡人。未の亡き後、義父の武弘の世話をしながら健気に日舞教室を守り続けていた。そんな冬美の姿に武弘はまだ若い冬美をこのまま後家として一生縛り付けて良いものかと思い悩み、亡き息子の納骨を機に冬美に新しい出発をさせようと考えていた。そんな冬美に、全国未亡人連合会の巡回相談員の熊谷を紹介した。しかし、それは武弘が一人寝の寂しさに耐える冬美の欲望を老いた自分では解消してやる事が出来ないと言うジレンマのあらわれでもあった。

金沢、京都、秋田とロケ地を使うのは予算的に無理なので実際は金沢出身、京都出身、秋田出身の未亡人たち。未亡人の役に立てれば喜ぶ姿が見れれば幸せという未亡人連合会の熊谷が訪問時にそれぞれ郷土名物の手土産を持参する。

それにしてもそれぞれの未亡人が健気で可愛いく、三話ともかなり良い話なんだな。
夫の連れ子への愛に戸惑う未亡人(ゆき)
亡くなった夫の事が忘れられなく必死にスナック経営を続けてきた熟未亡人(小川真実)
未亡人となった嫁である私に出来る事は何かと考え、日舞家元の後取りを産み日舞の流派を守ろうとする後家(風間今日子)
献身的でありながら、ちゃっかり食っちゃう熊谷(岡田謙一郎)の仕事ぶりも人の良さが出ていてほのぼの。

からみのエロさも一定の水準をクリア。



ピンク映画の中にあって思わぬ傑作に巡り合う希少さに満足。

世の亭主諸君は本作を観れば早く自分の女房も後家にしたいと思うこと請け合い。





シネロマン池袋



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