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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「スパルタの海」

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「スパルタの海」1983年 東宝東和 監督:西河克己

登校拒否や家庭内暴力が噴出した80年代に非行少年の更生施設として話題となった“戸塚ヨットスクール合宿所“を題材としたヒューマン・ドラマ。公開直前に主人公モデルの戸塚宏校長が逮捕され、公開は中止。近年までお蔵入りとなっていた問題作。

非行少年や不登校児の更生施設として全国に知れわたる、愛知県美浜町の戸塚ヨットスクール。そこには、家庭や学校では、手に負えなくなった、全国の少年少女たちが、送りこまれ、日夜激しいスパルタ式ヨット訓練に励んでいるのだった。そして今日もまた、一人の少年が、はるばる東京から送りこまれて来た。少年の名は俊平(辻野幸一)。入校初日、校長(伊東四朗)のキックやパンチを食らい、檻の中にぶち込まれても、反抗を全く止めない手強い奴。「まるでウルフやなぁ」校長が思わずつぶやいた。俊平は壮大な大海原に浮かぶヨットの上で、再び人の戻る事が出来るのだろうか。

伊東四朗が戸塚睦夫、じゃなかった、普通よりてんぷくしやすいヨットの設計者戸塚宏を演じる、三波伸介も「びっくりしたな、もう」な映画。

冗談はさておき・・・
これは4年前、シネマヴェーラの異形・妄執特集でかかったのだが、その時は見逃した。そうそう観れる作品ではないので悔やまれた。
今年は東海テレビの「平成ジレンマ」も劇場で公開され、興味深々であったが、公開のポレポレさんは同時にこの「スパルタの海」を上映せずに「東海テレビドキュメント特集」にしてしまった。「スパルタの海」が見れないのならと、「平成ジレンマ」もパスしてしまったでないの。
今回の奇跡のロードショーは嬉しい限りですが、今度は「平成ジレンマ」を上映してくれないんだな。2本まとめて観たいなぁ。

「学級崩壊、引きこもり、無差別殺人・・・・・現代日本がこの映画に見出すものは何だ!」
所謂戸塚ヨットスクール事件、情緒不安定児を抱えて、手に負えなくなった親たちが必至の思いで戸塚校長に託すという内容から、重々しいものを想像していたのだけれど、これは娯楽映画、青春映画として最高に面白いじゃないですか。

校長のジレンマはこの当時からあったわけですね。
甘っちょろいヒューマニズム・・・。

情緒不安定児を抱えて、手に負えなくなった親たちの藁をもすがる思い、子供たちの自分ではどうしようもできない闇。体罰の是非・・・。
子育てって本当に難しい。その子にとって何が正解かというのはやってみなければ解らない。正解か否かは子供によって現実として付きつけられる。
結局、物事や子供といかに真剣に向き合えるかと言う事なんでしょう。ところがそれがなかなか難しい。両親では戸塚校長のようには行かない。
子供はしごきにあって可哀想だけれど、更生と成長ができるのであれば良いよね。では、そんな子供を育ててしまった親の方の成長はどうなるのよ。
今や、この時代の子供たち(情緒障害の兆候が見えなかった者も含めて)が潜伏的に親になっているのですから・・・
スクールでの体験によって俊平が劇的な変化を遂げ両親は大感謝だけれど、出来る事なら両親の手で更生させてあげたいじゃないですか。・・・できますか?
戸塚校長の「俊平はもう親を越えてるから大丈夫」という言葉が痛く、空しく響く。

強面の伊東四朗が見せる愛情ある優しい表情が印象的。
奥さんの変わり身が微笑ましい。

沢山の情緒障害児を治した実績のあるスクール。でも、もちろん適合できなかった子も居る。地元の女子中学生を人質に取った理屈屋の彼はどうなったんだろう。

渋谷 シアターN

スパルタの海

平成ジレンマ


戸塚宏   脳幹論

戸塚ヨットスクール

戸塚ヨットスクール事件

戸塚ヨットスクールを支援する会


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