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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「前科おんな 殺し節」

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「不良性感度100%オンナノコ列伝 東映牝蜂NIGHTS」

「前科おんな 殺し節」1973年 東映 監督:三堀篤

マキ(池玲子)は政代(杉本美樹)たち女子刑務所の仲間の助けを借りて、殺された父の復讐をする。『女囚さそり』の脚本家コンビだけに刑務所内の描写は同シリーズのムード。東映ピンキー路線を支えた両輪、池玲子と杉本美樹の最後の共演作。

東映ピンキー路線のライバル関係にあった池玲子と杉本美樹。
主役は池玲子だから仕方ないが、やはりこうして見ると役柄、演技、肢体と池玲子が目立ち、杉本美樹はマイナー感があるよな。
それでもド派手な池玲子の顔立ちよりも狐顔の杉本美樹を応援したくなる、この心情。
杉本美樹は横顔が絶品。
今回は女博徒で背中一面の刺青も素敵。
刑務所の庭、木の下で一人でぽつんと座っている、渋い。

ただ、今回お目当てだった片山由美子が残念。
雑居房のボスかと思ったが見掛け倒しで小物。片山由美子の位置づけらしくはあるが・・・
むしろ、脇で注目は女スリの雪江(宗田政美)か・・・。

「東映雌蜂NIGHTS」特集のチラシを飾るスチール。滅茶苦茶いかしたトップレスの2人に誘われて鑑賞となったが、これは宣材スチールのようで、このようなシーンは残念ながらありませんでした。



女囚さそり脚本コンビとして刑務所の描写。
やくざの情婦になっている女博徒政代がプロの悪として貫禄を見せる。
復讐に燃えるマキ(池玲子)の方は、口を利かない、さそりスタイル。単なる娘が、どうした事か、根性と度胸が座り、素人ながら何故か天性の物を持っている不思議さ。ここいらもさそり同様。

刑務所内とラストでライバルのタイマンシーンが見所になっていて、刑務所内ではグラウンドのライン引きを倒し白い石灰まみれになって戦う。
復讐を遂げ、政代の情夫、大場を殺したマキだが、大場の情婦だった政代はマキに復讐の断念を説いたり、大場に捕らわれたマキを逃がしてやったりしていた。
私の顔を潰してくれたね。という事で再び決闘となる。
今度は大場興業の覚せい剤の白い粉まみれになって戦う。
この白い粉で繋がらせるシークエンスが洒落ていてナイス!

ファイトとしては特に刑務所内の物が素晴らしいです。
互いに口に咥えた紐を離せば、負け。ガラスの破片を武器に勝負。プロの政代に一日の長があり優勢となり、マキは武器を失う。政代も武器を捨て素手による勝負となるが、ここから敗色濃厚のマキは周囲に「決着ありだよ」と止められても、決して紐を離さず、執拗に食らいついてくる。ついに政代が「あんたの勝ちだよ」と紐を離してしまう。
ここから2人には不思議な友情が生まれるんですね。

2人、これが最後の競演作だったそうですが、最後を飾るに相応しい見事なファイトでした。



ラピュタ阿佐ヶ谷

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