「鈴木清順 再起動」
「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」1963年 日活 監督:鈴木清順
ヤクザから獲物を掠め取る強盗団の黒幕を探るため囮捜査員となった探偵事務所ツースリーの所長・田島。しかし、田島の正体を疑うボスは・・・。大藪春彦の原作を大胆に脚色。二転三転するスピード感溢れた脚本と素晴らしい演出でアクション・コメディの金字塔となった。
宍戸錠の演じる探偵事務所ツースリー所長はハードボイルドとして吐く台詞のカッコ良さを充分に備えていて素晴らしいのですが、この映画は単なるアクション映画でなくアクション・コメディ。当時のアクション映画の常として魅力的なキャバレーが登場するが、そこで歌っている歌手(星ナオミ)に気づくと、途端にソワソワし始める田島所長。実は昔の恋人だってんで、レビューで一緒になって歌い踊る。
宍戸錠のとぼけたダンス!流石ゲバゲバ90分で鳴らしたジョーです。
宍戸錠&星ナオミ - 六三年のダンディ
ダンス映像が見れないのが残念です。
他にもキャバレーのショーでミュージカル調に進行説明がされていく場面が楽しい。
冒頭、立川基地でのドリンク・トラック襲撃シーン。掴みは十二分。
日本では馴染みにくい私立探偵、拳銃の所持を許可されたりする都合は気にしなくて良い。
宍戸錠と熊谷警部の金子信雄とのコンビネーションは流石。
囮捜査員としてクラブエスカイヤを拠点とする組織に乗り込む。
ここのボス畑野(信欣三)の執拗なまでの用心深さ。たいしたものです。
カソリックの息子と偽った田島、畑野から「教会に連れて行け」と迫られると駄々っ子のように抵抗。可愛い。
なんと実父(佐野浅夫)まで引っ張り出してボスを煙に巻いたかと思うものの、畑野がいつまでもどこまでも疑っていやがるってのが面白い。
畑野には美しい情婦(笹森礼子)が居るが、実は不能者で礼子は男を知らないようです。
笹森礼子がこのシチュエーションのヒロインを好演。
ゴーゴー喫茶で田島が迫りながらスーツに盗聴マイクをしのばせるシーンがナイス!
川地民夫が例によって若いチンピラ・真辺役であるが、年増の愛人(楠侑子)がいて嫉妬プレイとも思える変態愛を見せる。
嫉妬プレイが繰り広げられるアパートの照明もスタイリッシュ。
探偵事務所の助手が堀内(土方弘)と入江(初井言栄)。
初井言栄が良い味出してます。最初、初井言栄と解らず、この役者誰だろうと思っていた。
初井言栄というと、どうしても近所のおばちゃん役のイメージがあるが、こんな役もやっていたのか。
何が良いって、堀内よりもよほど有能そうな所員でありながら、実はほとんど役に立っていない所が素敵だ。
田島所長は実にかっこ良いわけだが、どこまで行っても警察の忠実な犬なんですよね。
シリーズで「探偵事務所23 銭と女に弱い男」も、ほぼ同じキャストで作られているので機会があればそちらも観たい。ただ、鈴木清順監督じゃないんだけど、どうなのかな。
シネマヴェーラ渋谷
「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」1963年 日活 監督:鈴木清順
ヤクザから獲物を掠め取る強盗団の黒幕を探るため囮捜査員となった探偵事務所ツースリーの所長・田島。しかし、田島の正体を疑うボスは・・・。大藪春彦の原作を大胆に脚色。二転三転するスピード感溢れた脚本と素晴らしい演出でアクション・コメディの金字塔となった。
宍戸錠の演じる探偵事務所ツースリー所長はハードボイルドとして吐く台詞のカッコ良さを充分に備えていて素晴らしいのですが、この映画は単なるアクション映画でなくアクション・コメディ。当時のアクション映画の常として魅力的なキャバレーが登場するが、そこで歌っている歌手(星ナオミ)に気づくと、途端にソワソワし始める田島所長。実は昔の恋人だってんで、レビューで一緒になって歌い踊る。
宍戸錠のとぼけたダンス!流石ゲバゲバ90分で鳴らしたジョーです。
宍戸錠&星ナオミ - 六三年のダンディ
ダンス映像が見れないのが残念です。
他にもキャバレーのショーでミュージカル調に進行説明がされていく場面が楽しい。
冒頭、立川基地でのドリンク・トラック襲撃シーン。掴みは十二分。
日本では馴染みにくい私立探偵、拳銃の所持を許可されたりする都合は気にしなくて良い。
宍戸錠と熊谷警部の金子信雄とのコンビネーションは流石。
囮捜査員としてクラブエスカイヤを拠点とする組織に乗り込む。
ここのボス畑野(信欣三)の執拗なまでの用心深さ。たいしたものです。
カソリックの息子と偽った田島、畑野から「教会に連れて行け」と迫られると駄々っ子のように抵抗。可愛い。
なんと実父(佐野浅夫)まで引っ張り出してボスを煙に巻いたかと思うものの、畑野がいつまでもどこまでも疑っていやがるってのが面白い。
畑野には美しい情婦(笹森礼子)が居るが、実は不能者で礼子は男を知らないようです。
笹森礼子がこのシチュエーションのヒロインを好演。
ゴーゴー喫茶で田島が迫りながらスーツに盗聴マイクをしのばせるシーンがナイス!
川地民夫が例によって若いチンピラ・真辺役であるが、年増の愛人(楠侑子)がいて嫉妬プレイとも思える変態愛を見せる。
嫉妬プレイが繰り広げられるアパートの照明もスタイリッシュ。
探偵事務所の助手が堀内(土方弘)と入江(初井言栄)。
初井言栄が良い味出してます。最初、初井言栄と解らず、この役者誰だろうと思っていた。
初井言栄というと、どうしても近所のおばちゃん役のイメージがあるが、こんな役もやっていたのか。
何が良いって、堀内よりもよほど有能そうな所員でありながら、実はほとんど役に立っていない所が素敵だ。
田島所長は実にかっこ良いわけだが、どこまで行っても警察の忠実な犬なんですよね。
シリーズで「探偵事務所23 銭と女に弱い男」も、ほぼ同じキャストで作られているので機会があればそちらも観たい。ただ、鈴木清順監督じゃないんだけど、どうなのかな。
シネマヴェーラ渋谷