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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「仁義なき戦い」DVD

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「仁義なき戦い」1973年 東映 監督:深作欣二

終戦直後の広島県・呉。菅原文太演じる山守組組員・広能昌三が目の当たりにした広島呉抗争を描く。男たちの謀略の渦に放り出された広能、その行方に手に汗握る一篇!現地に赴き取材を重ねた笠原和夫の脚本、深作欣二の斬新な演出、個性際立つ役者陣──。ヤクザ組織の内幕を鋭くえぐる傑作シリーズ、記念すべき第1弾!

「仁義なき戦い」の5作品は一応観ておこうとおもっているのだが、阿佐ヶ谷死闘篇(ラピュタの特集名)も結局一度も行かず・・・。
いつでも観れるという思いがあるんでしょうね。
今までには劇場で広島死闘篇を1回、TV、ビデオで広島死闘篇を2回ほど、のみ・・・。
何や、広島死闘篇しか観ておらんじゃないか。
10月に川谷拓三特集でかかったが、第1作の上映が無かった(拓三の登場はほんのちょっとだけ、これでは無理からぬ事)ので、DVDをレンタルしてみた。

「仁義なき戦い」といえば菅原文太の広能昌三だが、彼が主役となるストーリーはこの第1作目だけ。

終戦直後、のっけからのハイテンションぶりで一気に引き付けられる。原作、時代背景、脚本、演出、広島弁、例の音楽、脂の乗ったキャストが演じる1人1人のキャラ、ナレーション(小池朝雄)、手持ちカメラ、死亡者のテロップ、まさに奇跡の結晶。

広能が焼け跡から本物の極道に成り上がっていく成長過程なんですね。一種の青春映画とも言えますか。

主なキャスト

広能昌三(山守組組員) 菅原文太・・・ なるほどこの人の人気が解る。ヒットマンとして技術が未熟だったりするのもリアル。最初から最後まで基本クールで渋く、時に内に秘めた熱情が噴出する。
冒頭、焼け跡での「俺がやっちゃろうか?」 とラストでの「弾丸(タマ)はまだ残っとるがよ」が最高にカッコ良い。

坂井鉄也(山守組若頭) 松方弘樹・・・ 優しい目を隠したサングラス、広能が懐に手を入れると殺されると思い声がひっくり返るのね。
 
槙原政吉(山守組組員) 田中邦衛・・・殴りこみから逃げる際、身重の妻を言い訳にするヘタレぶりがGOOD!
土井組に殴りこみをかける相談の際に山守組の若い者たちの言い訳は寝床ですかね。

若杉寛(土居組若頭) 梅宮辰夫・・・「盃が無いけん、これ(剃刀)で腕ぇ切って、血啜ろうや」・・・それにしてもチンコロによって呆気なく死んだな。

国弘鈴江(若杉の情婦) 中村英子・・・やっぱり綺麗だ。このくらいの軽い役が良い。

有田俊雄(新開の舎弟) 渡瀬恒彦 ・・・若きやくざもなかなか強か、第3作ではもっと若い感じになるんですよね。

上田透(上田組組長) 伊吹吾郎・・・賭場で出されたビール馬の小便と難癖つけるが広能に「ホンマもんの小便飲ましたろうか!」と反撃食らう。床屋で死ぬ。

山守義雄(山守組組長) 金子信雄・・・この役者ならではですね。泣きの演技、言うこと無し。

利香(山守組姐さん) 木村俊恵・・・雌鶏ぶりが素敵。

神原精一(山守組組員) 川地民夫・・・名優揃いの中でも、この役者の胡散臭さは光る、ナイスです!

土井清(土井組組長)名和宏・・・ほとんどのヤクザが即死していく中、死に損ない病院に運ばれたためテロップが出されず可哀想。

後半、とにかくめったやたらと死んで行きます。命の軽い映画=子供のピストルごっこみたいで良いです。
これは、というキャラもピストルでパンパンでおしまい。

仁義もへったくれもない上の物により、鉄砲玉のように純真な若き血が流れる世の常。

名言、名シーンは数々あって、どれも優劣付け難いです。

最後に一箇所引用

「それで新開や矢野が戻ってくる言うの。おお。おのれの手は汚れとるんじゃ。はようやれや」
しかし、坂井は広能を殺すことなく、車中で・・・
「のお、昌三。我らはどこで道を間違えたんかのお。夜酒飲んでつくづく極道がイヤになって足を洗おう思うても、朝になって若いもんに囲まれるとコロッと忘れてしまうんよ。」
「最後に言うといちゃるがのお、狙われる者より、狙う者のほうが強いんじゃ。そげなこと考えると隙ができるど」



それにしても、あの津島利章の音楽。ワーグナーに匹敵する名曲じゃないの、興奮しますな。

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