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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども」

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「妄執、異形の人々?」

「ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども」1961年 新東映 監督:小沢茂弘

ヒマラヤで探検隊が次々に襲われた。その犯人とされるヒマラヤの雪男を土門博士が捕まえて帰国するというから、さあ大変!学者や国際警察、はてはギャング団まで東京に集結し…。“ボリショイの熊”“ヨッチー・三谷”などの出鱈目なネーミング・センスに加え、なぜか雪男コンテストに出場した土門博士が胸毛審査で圧勝する、という展開にもビックリの冒険活劇!?

前回の妄執、異形特集で見た「アマゾン無宿」がぶったまげるほどの衝撃のカルト映画だったので、こちらも楽しみにしていた。
意味不明な点においてアマゾン無宿より、なお強烈な1本。

今回も片岡千恵蔵と進藤栄太郎がとても嬉しそうに演じていて、思わず笑みがこぼれる。(面白いというより、微笑ましいという感じ)
千恵蔵が土門博士、進藤栄太郎がボリショイの熊三。
特にキャバレーでのボリショイの熊三、雪男ショーでの乗りが素晴らしい。ジーナ(筑波久子)との美女と野獣。

国際司法刑事、ヨッチー・三谷の水谷良重が、またよろしい。
以前、何かの映画で見た時も思いましたが、この頃の水谷良重はぽっちゃりとふくよかな顔立ちでありながら男勝り。これが良いんですね。

帰国した土門博士一行の山男たちが土門邸で鍋を突きながら歌っている宴席シーンを始め珍妙な場面の連続。
雪男コンテストの土門博士出場などは、もう理解しようとするのも無駄。
コンテスト審査員には久保菜穂子、山東昭子、三田佳子など東映女優が実名出演。

雪男評論家、堺駿二が珍解説をしてくれます。

雪男の特ダネを狙っている記者が土門博士の妹(佐久間良子)とその恋人(江原真二郎)

本物の雪男はアンドレ・ザ・ジャイアントを小粒にした感じの大男。
調べてみると元相撲取り、プロレスラーの羅生門綱五郎。もちろんG・馬場ではない。黒沢「用心棒」に出ているんですね。

でも、この雪男は、悪役の大竹社長(山形勲)、チャン博士(三島雅夫)らにヒマラヤのウラニュウム目当てで一族を皆殺しにされた、単なる少数民族の生き残りだったのでした。

お決まりのドンパチ銃撃戦を経て・・・
復讐の鬼と化し暴れるまくる雪男でありましたが、土門博士に宥められヒマラヤに帰っていく事になります。
ダーダ、イポカルチョ

飛行機で帰っていく雪男を見送りながら佐久間良子、
「結局、雪男って、人間だったのね」・・・・オイオイ!

「アマゾン無宿」の方がいくらかまともだったように感じるのだから、すごいね、この映画。

残念ながら無宿シリーズは2本のみのようだけれど、千恵蔵、進藤栄太郎コンビは地獄の名のつくシリーズもあるようなので、見てみたい。

シネマヴェーラ渋谷

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