期待の二つ目として伝え聞く評判の良さ、そして熱心な勉強会開催で一度は独演会にも行ってみたいと思っていながら、行けず仕舞いだった一之輔がこの度、21人抜きで単独真打昇進を決めました。
談春、三三のチケットが取りにくくなっているので、次なる有望株かもしれないとも思うのですが、寄席などで2回程目にしていますが、まだ大感心という高座には遭遇していません。それだけに楽しみでもあります。
2012(平成24年)年4月7日
新宿末廣亭4月上席 春風亭一之輔真打披露興業
昼の部
柳亭小燕枝 「小言幸兵衛」
夜の部
開口一番 林家けい木 「つる」
春風亭朝也 「小粒」
ひびきわたる ものまね
桂才紫 「黄金の大黒」
春風亭小朝 「目薬」
松旭斎美智・美登 奇術
五明楼玉の輔 (小学生の作文)
柳亭市馬 「親子酒」
林家正楽 紙切り
橘家円太郎 「浮世床」
鈴々舎馬風 (小さんの思い出)
中入り
口上(市馬・権太楼・一之輔・一朝・木久扇・馬風)
柳家権太楼 「代書屋」
林家木久扇 (彦六の噂)
春風亭一朝 「初天神」
鏡味仙三郎社中 太神楽
春風亭一之輔 「花見の仇討」
昼の部であわよくば、さん喬、雲助が聴けると思ったがあいにく両名ともお休み。
雲助の代演、小燕枝。円生などで大好きなネタだけに、今日はいつになく良く感じる。
夜の部に入って
失礼ながら、いつも前座の噺はそれほど気を入れて聴いていない。
初めて観るけい木くんはなかなか良いんじゃないかと思って聴いていたら、思わぬミスをしでかしちゃった。
しかし、その後、自分の単純なミスを逆手に爆笑の高座にしちゃった。
まさに、笑わせるというよりも笑われるという格好になったが、これが悪くないと思うのは力量が無いわけではないから。
こんなに受けてる前座を観る事は滅多に無い。今後もちょっと見守ってあげたくなる。
隠居から教わったつるの由来を上手く語れず「そんなに難しい噺じゃないんだけどなぁ」は良かった。
朝也、才紫が初めて。
小朝師が早めに登場して軽く「目薬」を聴かせてくれたので嬉しい。
馬風師の高座も久しぶりに堪能。この方といえば「会長への道」だったが、本当に会長に就いて、今やその職も退き最高顧問だとよ。
この人は高座以上に楽しいのが披露口上。
その口上。進行は落語協会副会長の市馬師だが、いつのまにか馬風師の仕切りで実に楽しい口上となった。
ちなみに馬風師と一之輔は共に千葉県野田市出身。
また、贅沢でお目出度い口上で、市馬師は「相撲甚句」で喉を聴かせ、師匠の一朝師は歌舞伎での横笛を奏でる。
一朝師の横笛と言えばとても有名なのだが、高座で実際に吹いている姿を観るのは初めてでした。とても貴重。
それだけでなく、木久扇は得意の千恵蔵に留まらず、かっぱのへそ踊りなるものまで飛び出す。
口上では披露する一芸を見せられなかった権太楼も高座の方で得意ネタの「代書屋」で爆笑。
この人の噺の中では「代書屋」が一番良いかも。オヤジと頭の弱い客のやりとりが絶妙。
木久扇師は落語をやらなくたって、ずっと彦六の真似をしているだけで充分だと思う。確かに似ているけれど、もう、これは似ている似ていないの範疇の問題じゃない。
冒頭に談志の真似も聞かせてくれた。声音は、ある時期の家元に良く似ていたけれど、しゃべっている内容がぜんぜん家元らしくないところが可笑しい。
師匠の一朝。「初天神」は飴と団子の件。笑い所であるギャグが端折られて残念だが、今日は贅沢を言うまい。
それにしても老けましたね。一朝老人と呼ばれる日も近い。
さて、真打一之輔。
この日は遅れて開花した桜が見ごろで名所では花見客で賑わっていたでしょう。
これまた、大好きなネタなので嬉しい。
期待の人らしく、一之輔なりの工夫があちこちに見られる。
練習の時に仇の名前を言わせずに、「らしそうな物を考えておけ」とする。
本番でどんな名前が飛び出すのか楽しみになった。結果、大した事は無かったが・・・。
キャラ的には巡礼兄弟の松ちゃんが最高に可笑しい。「この角度、腕が疲れるぅ」
完成度という面では三三の真打昇進時ほどではないように思ったけれど、それだけに今後、どれだけ大きな噺家さんになって行くのか楽しみ。
34歳、この人、(心の旅、サボテンの花の)チューリップが好きみたい。
外見の様子が良いのもプラス材料です。
談春、三三のチケットが取りにくくなっているので、次なる有望株かもしれないとも思うのですが、寄席などで2回程目にしていますが、まだ大感心という高座には遭遇していません。それだけに楽しみでもあります。
2012(平成24年)年4月7日
新宿末廣亭4月上席 春風亭一之輔真打披露興業
昼の部
柳亭小燕枝 「小言幸兵衛」
夜の部
開口一番 林家けい木 「つる」
春風亭朝也 「小粒」
ひびきわたる ものまね
桂才紫 「黄金の大黒」
春風亭小朝 「目薬」
松旭斎美智・美登 奇術
五明楼玉の輔 (小学生の作文)
柳亭市馬 「親子酒」
林家正楽 紙切り
橘家円太郎 「浮世床」
鈴々舎馬風 (小さんの思い出)
中入り
口上(市馬・権太楼・一之輔・一朝・木久扇・馬風)
柳家権太楼 「代書屋」
林家木久扇 (彦六の噂)
春風亭一朝 「初天神」
鏡味仙三郎社中 太神楽
春風亭一之輔 「花見の仇討」
昼の部であわよくば、さん喬、雲助が聴けると思ったがあいにく両名ともお休み。
雲助の代演、小燕枝。円生などで大好きなネタだけに、今日はいつになく良く感じる。
夜の部に入って
失礼ながら、いつも前座の噺はそれほど気を入れて聴いていない。
初めて観るけい木くんはなかなか良いんじゃないかと思って聴いていたら、思わぬミスをしでかしちゃった。
しかし、その後、自分の単純なミスを逆手に爆笑の高座にしちゃった。
まさに、笑わせるというよりも笑われるという格好になったが、これが悪くないと思うのは力量が無いわけではないから。
こんなに受けてる前座を観る事は滅多に無い。今後もちょっと見守ってあげたくなる。
隠居から教わったつるの由来を上手く語れず「そんなに難しい噺じゃないんだけどなぁ」は良かった。
朝也、才紫が初めて。
小朝師が早めに登場して軽く「目薬」を聴かせてくれたので嬉しい。
馬風師の高座も久しぶりに堪能。この方といえば「会長への道」だったが、本当に会長に就いて、今やその職も退き最高顧問だとよ。
この人は高座以上に楽しいのが披露口上。
その口上。進行は落語協会副会長の市馬師だが、いつのまにか馬風師の仕切りで実に楽しい口上となった。
ちなみに馬風師と一之輔は共に千葉県野田市出身。
また、贅沢でお目出度い口上で、市馬師は「相撲甚句」で喉を聴かせ、師匠の一朝師は歌舞伎での横笛を奏でる。
一朝師の横笛と言えばとても有名なのだが、高座で実際に吹いている姿を観るのは初めてでした。とても貴重。
それだけでなく、木久扇は得意の千恵蔵に留まらず、かっぱのへそ踊りなるものまで飛び出す。
口上では披露する一芸を見せられなかった権太楼も高座の方で得意ネタの「代書屋」で爆笑。
この人の噺の中では「代書屋」が一番良いかも。オヤジと頭の弱い客のやりとりが絶妙。
木久扇師は落語をやらなくたって、ずっと彦六の真似をしているだけで充分だと思う。確かに似ているけれど、もう、これは似ている似ていないの範疇の問題じゃない。
冒頭に談志の真似も聞かせてくれた。声音は、ある時期の家元に良く似ていたけれど、しゃべっている内容がぜんぜん家元らしくないところが可笑しい。
師匠の一朝。「初天神」は飴と団子の件。笑い所であるギャグが端折られて残念だが、今日は贅沢を言うまい。
それにしても老けましたね。一朝老人と呼ばれる日も近い。
さて、真打一之輔。
この日は遅れて開花した桜が見ごろで名所では花見客で賑わっていたでしょう。
これまた、大好きなネタなので嬉しい。
期待の人らしく、一之輔なりの工夫があちこちに見られる。
練習の時に仇の名前を言わせずに、「らしそうな物を考えておけ」とする。
本番でどんな名前が飛び出すのか楽しみになった。結果、大した事は無かったが・・・。
キャラ的には巡礼兄弟の松ちゃんが最高に可笑しい。「この角度、腕が疲れるぅ」
完成度という面では三三の真打昇進時ほどではないように思ったけれど、それだけに今後、どれだけ大きな噺家さんになって行くのか楽しみ。
34歳、この人、(心の旅、サボテンの花の)チューリップが好きみたい。
外見の様子が良いのもプラス材料です。