「裸の銃弾」

「ニッポン・ノワールⅡ」

「裸の銃弾」1969年　監督：若松孝二　35mm

指を詰められたチンピラが、No.1の殺し屋となってボスへの復讐に乗り出す。手袋の小指から飛び出す銃弾、新聞広告好きの殺し屋、殺し屋ランキング･･･。大和屋によるぶっ飛んだ設定と全篇にわたる銃撃戦。カッコいい死に様が最高の一本。

11年ぶり鑑賞。前回は肝心なラスト決闘シーンでちょっと眠ったけど今回はバッチリ。
「やわ肌無宿　男殺し女殺し」




端正な吉澤健とソフト帽でやんちゃ感出す港雄一に長身の小水一男を配してのいかにもな大和屋竺テイストが嬉しい。
組長の女（林美樹）と4人、鳥の丸焼き食べるシーンで交わされる言葉までハードボイルド。



冒頭、団地脇の貧民街、なんと素晴らしいロケ地なんでしょ。
殺し屋（谷川俊之）との対決。メッカチはNGワードでもロンパリはOKなの良い。

前回、林美樹の「ツラはいいな」「身体もね」に突っ込み入れてしまったが、確かにルックス的に問題はあるものの林美樹のファムファタールっぷりはカッコ良い。大和屋竺の中ではちゃんと峰不二子だったのかもしれない。
温泉の浴場での吉澤健とのからみシーンはパートカラー効果も相まってなかなかエロく出来上がってる。



音楽は山下洋”月”トリオ。トリオ＋αのジャズ劇伴もカッコ良い。エレピ使ってるのでパチもんじゃないかと思ったりもするけれど･･･
若松孝二と山下洋輔は相性良いから「天使の恍惚」の印象が強すぎるか？
港雄一のクレジットは神港雄一だった。

前回、睡魔に襲われ、なぜ港雄一が弾に当たって倒れてるのか解らなかったが、弾丸切れで港雄一に一発浴びて重症を負った吉澤健がグローブの小指のところ（指詰めてるから）に一発弾を隠し持っていたという･･･。とても重要なシーンで一瞬眠っていたんですな。あー、すきっりした。

裸の銃弾


シネマヴェーラ渋谷