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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「家族ゲーム」

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「2018年の森田芳光」

「家族ゲーム」1983年 ATG 監督:森田芳光

森田芳光の代名詞的作品。中流家庭を舞台に、家庭教師が巻き起こす騒動をシニカルな笑いとともに描いていく。
中三の沼田茂之の高校受験を控え、父の孝助、母の千賀子、兄の慎一たちまで家中がピリピリ。出来のいい兄と違って、茂之は成績も悪く、何人もの家庭教師がすぐに辞めていた。そこへ、三流大学の七年生という吉本が家庭教師としてくる。孝助は吉本を車の中に連れて行き、「茂之の成績を上げれば特別金を払おう」と約束する。暴力的な吉本は勉強ばかりか、喧嘩の仕方も教え、成績が徐々に上がり始める。

2018年11月鑑賞分



昔テレビで見たとき、めちゃくちゃ面白かったし、一度見ただけなのに多くのシーンが印象に残っているという稀有な作品を30数年ぶりに再鑑賞。
嫌いだった松田優作を見直すきっかけとなった真骨頂作品でもありますね。



あの横並びの家族の晩餐。スラプスティックに破壊されていくさまも強烈な印象が残っている。最初のテレビ放映ではカットされていたと聞いた事があるので、自分が見たのは最初の放映ではないのかもしれない。どこまで計算でどこからアドリブなのか。
記憶を蘇らせ、確かめていくような鑑賞になるので、通常はちょっと味気ない映画体験になってもやむを得ないのだが、それでも充分面白い。



戸川純のシーンも印象深く大好きだ。
今回、一つ記憶違いを発見した。それは、あの不穏なラスト・シーン。ヘリコプターの音がうるさく聞こえてくる。記憶ではその伏線として戸川純が団地での出棺は「ヘリコプター使うくらいしかないじゃない」とかいう台詞を吐く場面があったと思うのだが、それは一切無かった。これはカット編集されたわけでなく、おそらく当時どなたかのレビュー解釈を目にしたものが記憶としてすり替えられていたのでしょう。



夕暮れ夕暮れ夕暮れ夕暮れ・・・
勉強嫌いで出来の悪い息子が中学生の頃、勉強を見てあげていた時があったが、集中できない彼に対して「ノート一面に夕暮れを書き連ね、完全把握するぐらいやってみろ」と言ったもんだ。やればできる子の象徴的な名場面であるから。



「バカじゃない、勉強が嫌いなだけです」
「この時期に勉強が嫌いだなんて言ってるのがバカだろう」



「森田芳光全作品上映&全作品ライムスター宇多丸語り下ろし」
2018年の映画イベントとしてかなり優秀な歴史に残るイベントだったと思う。
初期の作品がこれだけ大好きなのに、「メインテーマ」以降の作品にどうにも食指が動かなくなってしまう森田芳光監督。食わず嫌いを克服して今回は少し観てみようとも思ったけれど、やっぱりここまでで終わってしまった。もう一本テレビ鑑賞のみで、これも大好きな「ときめきに死す」がスケジュールの関係で観れなかったのは残念。機会があれば「キッチン」「黒い家」「間宮兄弟」くらいは観ておこうかと思ってる。

池袋 新文芸坐


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