「団鬼六　美女縄化粧」

「団鬼六　美女縄化粧」1983年　日活　監督：藤井克彦

資産家の久我山は最近、亡き妻に一人娘の華子が似てきたと感じていた。華子は女子大生。一緒にテニスをするのが楽しみの一つだ。そんな折、華子は大学からの帰宅途中に連れ去られ、二人組の男、京田と谷、に縄で縛られる。京田は調教師であり、谷は売れないカメラマンだ。華子は谷により羞恥を覚える姿を次々とフレームに収められ、加えて父の秘密を知ることになり……



三代目女王は細面の美人。和製オリビア ・ハッセーの異名を持つ高倉美貴。自身2本目の団鬼六作品。
茶道にパパとのテニスにとお嬢様ぶりをじっくり撮るだけでもこの後の凌辱を思いワクワクしてしまうほどの美人力。
呆気なく拉致され鉄階段に拘束。



調教師大杉漣の部下にあたるカメラマンの存在が重要。お嬢様の気位が災いとなり失禁に及ぶ 。冷や汗でブラウスを激しく濡らす様。階段拘束パンチラ撮影とまだ裸の縄目以前でこの満腹感。




俯瞰で描く剃毛シーンが見事。

なんやかやあり、ついに被虐の血に目覚め、単純に美しい姿を撮りたいという純情カメラマンに自ら身を投げ出してのからみ。ここは接吻抜き。不自然な気もしたが、それによりお嬢様の血肉の哀しみ、カメラマンの生真面目さが際立つと解釈しよう。

高倉美貴。苦悶に歪む際の眉間の深い皺。通常なら珠に瑕のところSM女王なら武器にさえなる。顎の黒子が色っぽいチャームポイントでアイマスクで覆ってもすぐに娘と知れそうなもんだが、そういうツッコミは入れまい。

劇中、フレーズパクりまくりのジャズがカッコいい。

都家歌六がタクシー運転手で4330円ご請求w

数ある団鬼六を冠する作品でも上位間違いなしで、高倉美貴の他の縄作品も全部観たい。





シネロマン池袋