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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「徳川いれずみ師 責め地獄」

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「東映 異常性愛路線のミューズ 橘ますみ伝説」

「徳川いれずみ師 責め地獄」1964年 東映 監督:石井輝男

時は元禄。早くに両親を亡くした由美は、借金のために売春宿の大黒屋で男たちの慰み者にされる日々を送っていた。一方、江戸で一番と謳われる刺青師・彫五郎には彫秀と彫辰の二人の弟子がおり、将軍上覧の刺青大会で勝てば二代目の名と娘・お鈴が与えられることになっていた。勝利に執念を燃やす彫秀は由美の肌に最高傑作の彫り物を完成させるが・・・。

あいかわらずの石井輝男、異常性愛路線。一連の作品における石井輝男の瞬発力に感心しきり。脚本がどうのこうのというよりアイデアと映し出される絵で勝負。持続力には問題があるのかもしれない。だからオムニバス形式は好都合なのか。
例によってオープニングタイトルが素晴らしくエログロで、よくよく考えると本編やタイトルと微妙にズレてんじゃないのかとも・・・。とにかく拷問、処刑を見せておく。

開巻、襦袢姿の女が墓を掘り起こす。主演は片山由美子!テロップには新人と。
その後、「プレイガール」など、ヤンキーで素敵なお姉ちゃんで活躍する片山由美子。時代劇の鬘だと雰囲気が随分違う。似合わないでしょ。薄幸な田舎娘と言う意味では正解。
墓暴きで死骸から取りだした小さな鍵。「これでやっと女に戻れる」と股間の貞操帯を開けようとするとカギがポキっ(爆)

入浴シーンなどで髪を降ろすとやはり片山由美子様の魅力の片鱗が・・・。
彫師彫秀が最高の彫り物を完成させたと満足気ですが、片山由美子の綺麗な背中には彫物らしきものが見えません。これには彫秀が仕込んだ信じられないような技術が・・・
うぶな娘が次第に彫秀に魅かれていってしまう件の演技など、新人片山由美子の健闘と背中の美しさが光ります。

彫秀と彫辰の作風は陰陽。本格の彫秀は絵柄も古来の日本的な美しい物ですが、対する彫辰は前衛的というか抽象アートのような物で刺青というよりボディーペインティングのようなチープさ。それでも絵の描いてある裸、おっぱいのオンパレードは圧巻です。

藤本三重子のドSレズ女将がまた強烈です。
ラストの処刑では、どん引くなり爆笑するなり、人それぞれでお楽しみください。

後半は彫秀、彫辰の師匠・彫五郎の娘をめぐる物語に。ミューズ・橘ますみパートとなる。
必要以上のドアップで映し出される平たいお顔。片山由美子同様、処女として可憐さの中、存分に穢されてくれちゃいます。

他にも由利徹、大泉滉の女装(声は女性の吹替えで妙)、賀川雪絵の女囚牢名主の気風、悪徳与力・田中春夫の白塗り、ハニー・レーヌのロリ被虐、吉田輝雄の嘘臭さ、(復讐とはいえ、橘ますみの静止も聞かず、罪もない娘を誘拐して彫物しちゃう)、小池朝雄(ただ、本作ではややおとなしめ)後半における夜光いれずみのバカバカしさ、等々、見所は多い。

作品全体のまとまりとか完成度というより、やはり石井輝男の瞬発力を楽しめれば良い映画。前半と後半の繋ぎの悪さなどは、いつものように別話のオムニバスにした方が良かったような。

最後はやっぱり火事にならずに、いられないって事で・・・。

ラピュタ阿佐ヶ谷


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