「熟母・娘　乱交」

「新東宝ピンク映画　ラスト・フィルム・ショー　in ラピュタ阿佐ヶ谷」

「熟母・娘　乱交」2006年　新東宝　監督：深町章
プリントタイトル「母と娘　濡れまくら」

章太郎はある日病弱な真夕美とその母美佐子と出会う。しばらくして美佐子が章太郎を訪れ、男を知らないまま死を宣告された真夕美を抱いてやって欲しいと頼むが･･･。名作落語「怪談牡丹燈籠」をベースにした河本晃の脚本を深町章が演出、哀感あふれる独特な味わいの作品に仕上げた。

体調の悪さを押して鑑賞に踏み切って正解。
上映前に出演の里見遥子さんがサプライズでご挨拶。自ら捧げている仕事やその仲間、深町監督と深町組のエピソードを嬉しそうにおしゃべりしてくれる姿が可愛らしい。
シナリオタイトルは「骨まで愛して」とあるが、深町監督からは牡丹燈籠であると聞かされた。



円朝の牡丹燈籠というより志那の原典を彷彿とさせる幽玄美。

お露であるところの藍山みなみの可愛らしさ。
新三郎であるところの岡田智弘の貴族チックな出で立ち。
藍山みなみは「おしっこじゃなくてうんこだったら良かったのに」なんて台詞でおぼこい感を出してるが、これは微妙。
浴衣姿で正座俯き、「初めてなので何かとお手数をかけます」とかなんとか言って頭を下げる。



ややぽっちゃりふくよかな藍山みなみが実は死霊で木乃伊というかそのまま骸骨であるというこのギャップ。
伴造であるところの川瀬陽太は同級生岡田智弘の経営する会社の社員。
暴頭、二人が釣りをするシーンが里見さんも言ってたがとても良いシーンで、新三郎と伴造の関係性解釈が秀逸。
お峰にあたる里美瑤子、本来なら強欲で気が強そうな役柄を、飄々と川瀬陽太との夫婦夜の生活を楽しんでいる。
翳りのみえる下着姿でベッド上で美容体操しているなどはピンク映画としても魅力発揮。



お付きのお米にあたるしのざきさとみ。ここを母親に変えて、「熟母・娘」となる。
熟の極み、しのざきさとみは和装よりも脱いだ時が綺麗。

本作の見どころの一つ。それはお札によって岡田智弘の家に近寄れない。愛する気持ちで藍山みなみが結界突破しようとすると強風に煽られ藍山みなみの顔面力が露わになる。
女子の髪型というのは化粧と共に有効だという事をあらためて思い知らされる。女優としては損かもだが、貴重なシーンで愛くるしい。





残念ながら最後の最後、体調悪さもあり寝落ち。ラストシーン見逃した。
翌日からさらに体調悪化。薬の効きも悪いし、悪霊に祟られているかのようだ。2か月ぶりの症状で早すぎる。



ラピュタ阿佐ヶ谷