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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「死なない頭脳」

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「妄執、異形の人々 海外編」

「死なない頭脳」1962年 米 監督:ジョセフ・グリーン
The Brain That Wouldn't Die

人体実験にとりつかれたビル博士は、交通事故で死んだ婚約者・ジャンの頭部を持ちかえって実験室で蘇生させる。首だけになったジャンは死なせてと懇願するが・・・。人体実験でモンスター化した男とジャンが博士に復讐を企てる。

テーマは医療の発達、移植手術の倫理、人間の尊厳なんて大げさな事が言えなくもない、かなり面白い物なんだけど、いかんせんB級の匂いがぷんぷんで、そのようなテーマも一笑のもと伏せられちゃうといった爽快感がいいよね。

天才外科医は事故にあった愛する婚約者の頭部を実験室に持ち帰り蘇生させ、その頭部に他の女性の肉体を移植しようとする。他者の肉体を移植しようとすると拒絶反応が起こってしまうところだが、彼の発明した血清を使えば、あらら、お見事、拒絶は一切起こらずに同化できちゃう。これは凄い発明だぞ。

ついに移植する女体を求めて街を物色に出かける天才外科医。

所謂マッド・サイエンティストなのだが、この映画のテーマはむしろこっから先にありそう。
元々スタイルも良さげな素敵なフィアンセであったけれど、こうなったからには、そのスタイルに飽き足らず、もっとセクシーでグラマラスなボディをと、まずヌードダンサーに接触してみたり、オープンカーでストーカーまがいに美女を物色、尾行したり。婚約者を理想のボディにするためには殺人だって厭わない。移植という医療に対する夢や志なんかはもう、どーでもいいようです。

人体実験でモンスター化した男が幽閉されていて、咆哮のみが聞こえている。
頭部のみとなった女性は何故か不思議な力、テレパスを手に入れてモンスターを操り復讐を企てる。
はたしてこのモンスター君がどのようなおぞましい姿か想像しながら、ワクワクするわけだが、ついに姿を現して…。
いや、この時代を考えると醜い造形は及第点。フィギュア化してもらいたいぐらいなんだ。
ところが復讐のやり方が今一つ中途半端なんじゃないか。最後は実験室が火事にならずにいられないというお約束の結末。

部下にしている、実験により手が不遇になってしまった男の存在も何か中途半端。

やっぱり天才外科医のどスケベさだけが光るトンデモ映画でありんした。

シネマヴェーラ渋谷

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