「妄執、異形の人々 海外編」
「小人の饗宴」1970年 独 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
原題:AUCH ZWERGE HABEN KLEIN ANGEFANGEN
とある隔離された施設で、その所長がお出かけで留守にしている時、収容されていた小人たちが日頃の自分たちへの扱いに対する不満を爆発させ、暴動を起こした。ひとり施設に残っていた小人の指導員は施設内の一部屋に人質を取って籠城。20人あまりの出演者は全員小人。
何度か機会を逸していた「小人の饗宴」待望の劇場鑑賞。DVDレンタルに妥協せずよかった。
この基地外映画。これはちょっと反則でしょ。
まさに「小人の饗宴」タイトルそのまま。暴動と言っても悪ふざけが延々と続く。本物の小人を使って大ドタバタをシュールに描いて見せちゃう、ヘルツォークって・・・天晴れ。
小人のけたたましい笑い声。仲間の死骸をついばむ鶏などの映像に、トラディショナルというか宗教的なBGMが強い印象を伴い、いつの間にか引き込まれている。意味などあるはずもない悪ふざけがいつの間にか神聖な儀式のように見えてくる。
通りすがりの自動車のご婦人まで小人。小人のみの世界。
登場する小人たちのキャラもなかなか味がある。
比較的手足のバランスは悪くない、とにかく小さい人たち。
しかし、知能も小学生並みのふざけ方。
一番小さい、皺くちゃ顔のオールバックのおじさん。ラストではラクダの脱糞を見て咳き込みながらけたたましく笑い続ける。
いじめられて、これもかなり小型のジャージ女性(ややピンヘッド入ってるか)と強制的に結婚させられる(寝室に2人っきりで閉じ込められる。小学生かよ)とベッドが高すぎて上る事ができない。
教師の持っているヌードモデル写真に見とれます。
「溝が深すぎて行けない」とか身体が小さいことによる自虐ネタ多し。
ハンチングを被った青年風。ポンコツ車を再生することができる才能。こいつがなかなか良い。
永遠と時計逆周りに回り続けるポンコツ車をバッグに悪ふざけは続けられる。
サルを十字架に磔行進する様。
結局、ポンコツ車は小人たちによって奈落へ落とされるのですが、これが深い!
他に、マイルス・デイビス顔の女性。ボーダーの中年。盲人の双子(当然、苛められる弱者、双方むやみに杖の棒を振り回すんだが、ほとんど接触しない。)中では身長のある白木みのる似・・・。昆虫採集で虫に結婚式の衣装を着せてる女性。老け顔も行けてる指導員。こいつも気が狂ってるんですね。多幸症のように時折笑う人質の青年(若そう)。
こういう反則的なアナーキー作品て、やっぱり癖になりますよね。
聞きしにまさる、カルト映画の問題作。
とにかく、気持ちを逆撫でするような高音で歌われる音楽が印象的で大変良い。音楽はフロリアン・フリックという方。
シネマヴェーラ渋谷
「小人の饗宴」1970年 独 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
原題:AUCH ZWERGE HABEN KLEIN ANGEFANGEN
とある隔離された施設で、その所長がお出かけで留守にしている時、収容されていた小人たちが日頃の自分たちへの扱いに対する不満を爆発させ、暴動を起こした。ひとり施設に残っていた小人の指導員は施設内の一部屋に人質を取って籠城。20人あまりの出演者は全員小人。
何度か機会を逸していた「小人の饗宴」待望の劇場鑑賞。DVDレンタルに妥協せずよかった。
この基地外映画。これはちょっと反則でしょ。
まさに「小人の饗宴」タイトルそのまま。暴動と言っても悪ふざけが延々と続く。本物の小人を使って大ドタバタをシュールに描いて見せちゃう、ヘルツォークって・・・天晴れ。
小人のけたたましい笑い声。仲間の死骸をついばむ鶏などの映像に、トラディショナルというか宗教的なBGMが強い印象を伴い、いつの間にか引き込まれている。意味などあるはずもない悪ふざけがいつの間にか神聖な儀式のように見えてくる。
通りすがりの自動車のご婦人まで小人。小人のみの世界。
登場する小人たちのキャラもなかなか味がある。
比較的手足のバランスは悪くない、とにかく小さい人たち。
しかし、知能も小学生並みのふざけ方。
一番小さい、皺くちゃ顔のオールバックのおじさん。ラストではラクダの脱糞を見て咳き込みながらけたたましく笑い続ける。
いじめられて、これもかなり小型のジャージ女性(ややピンヘッド入ってるか)と強制的に結婚させられる(寝室に2人っきりで閉じ込められる。小学生かよ)とベッドが高すぎて上る事ができない。
教師の持っているヌードモデル写真に見とれます。
「溝が深すぎて行けない」とか身体が小さいことによる自虐ネタ多し。
ハンチングを被った青年風。ポンコツ車を再生することができる才能。こいつがなかなか良い。
永遠と時計逆周りに回り続けるポンコツ車をバッグに悪ふざけは続けられる。
サルを十字架に磔行進する様。
結局、ポンコツ車は小人たちによって奈落へ落とされるのですが、これが深い!
他に、マイルス・デイビス顔の女性。ボーダーの中年。盲人の双子(当然、苛められる弱者、双方むやみに杖の棒を振り回すんだが、ほとんど接触しない。)中では身長のある白木みのる似・・・。昆虫採集で虫に結婚式の衣装を着せてる女性。老け顔も行けてる指導員。こいつも気が狂ってるんですね。多幸症のように時折笑う人質の青年(若そう)。
こういう反則的なアナーキー作品て、やっぱり癖になりますよね。
聞きしにまさる、カルト映画の問題作。
とにかく、気持ちを逆撫でするような高音で歌われる音楽が印象的で大変良い。音楽はフロリアン・フリックという方。
シネマヴェーラ渋谷