「０線の女狼群」

「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界Ⅳ」

「０線の女狼群」1960年　新東宝　監督：三輪彰

上京したての小畑絹子は騙されて売春組織に引き込まれるが･･･。自分たちを搾取する悪の組織から自由になろうとする女たちの闘いをドキュメンタリー・タッチで描く。組織のボス丹波哲郎の運命は、そして”女狼群”とは!?新東宝ならではのB級ノワール。

大原穣二以下丹波哲郎の部下たちがいい味出してるな。
松原六郎 、鳴門洋二 、国方伝 、鈴木信二などなど



上京してくる小夜子（小畑絹子）を次から次へと生き馬の目を抜く東京の風景。警察を装った悪の組織旭商事に捕らわれるまでのワクワク。
お決まりの路線。小汚ない部屋に連れこまれ、ボス長島（丹波哲郎）のエジキ。小夜子は機をうかがって脱出を試みるがまたすぐに捕まりリンチ。キャバレー等で拾った酔漢たちを連れこんで来ては、彼らの相手にされる。



諦めの境地の陥っている哀れな女たちは彼女の反抗を無意味なものとして嘲笑しているが･･･
間抜けな見張り役を座布団返しでとっちめる事で勇気百倍。女狼群となり反逆。
壁伝いに逃げる長島へ投石攻撃は最強。

女を食い物にする悪の組織から救出するのはヒーロー佐伯青年（寺島達夫）でなく被害者小夜子とその尻馬に乗った女狼群。
佐伯は正義感の強さと優しさを持っているが腕力は立たない。復讐に燃える小夜子に「殺しちゃいけない」とあくまで彼女らの解放に奮闘。

女たちの蜂起にコテンパンの悪党。それでもラストにドヤ顔でセンター務める寺島達夫に爆。





このB級度で宙明さんの大仰な劇伴が何だか笑っちゃう。



シネマヴェーラ渋谷