「アングスト／不安」

「アングスト／不安」1983年　墺　監督：ジェラルド・カーグル
Angst

10年前に理由もなく老女を射殺して服役していた男が刑期を完全に終える前に3日間の外出許可を得た。
しかし、幼少時の複雑な家庭環境から精神をこじらせていた男は、更生するどころか、その殺人欲求を獄中でより高めていた。野に放たれることとなったシリアルキラーの狂気が始まる。

1980年にオーストリアで実際に起こった殺人鬼ベルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録スリラー。83年にオーストリアで製作され、欧州では次々と上映禁止。日本では88年に「鮮血と絶叫のメロディ　引き裂かれた夜」のタイトルでレンタル用VHSとして発売された作品。劇場初公開。

手際悪い犯行。
安易に叫ばない被害者。
生死問わず引きづられる肉体。
不安煽る多様なカメラ。
不穏なクラウス・シュルツ。アンビエントサウンドにドラム音。
水が滴る音。
異常で支離滅裂な犯行手順と落ち着いたモノローグ。



難を逃れる女タクシー運転手かっこいい。靴ひも。
侵入したお屋敷。
入れ歯婆ぁ、下肢と脳に障害ある息子、眼鏡娘。
眼鏡っ娘は眼鏡をはずすと正当に美人。ミニスカ肝要。





一番の惨殺は娘の刺殺。
殺害後いつのまにかズボンが降りてる。そこだけ手際良いのね。

死んだふりにしちゃ上手すぎる動かなくなった婆ぁと車椅子前でダンス。






嬲るところ、苦しむところ、死んでいくところ、凄惨な死体を見せて恐怖に慄かせてやりたい。けれどあっさり死んじゃう被害者。
野次馬娘2人はノーリアクション。



それでもモノローグでは一定の満足得られた様子のサディスト。
犬はラストまで徹底無視。



祝・日の目
怖いとか不快とかよりももどかしさを感じてしまう。
不穏ではあるがもっといつの間にか観客にはもっと残虐を望ませる、異常さ。
「ハウス・ジャック・ビルド」の素みたいでいい。

日本発売ビデオ作品タイトルは「鮮血と絶叫のメロディー　引き裂かれた夜」

17.4.-218.537
ヴェルナー・クニーセク







シネマート新宿

エレベーターホール壁面に連貼されてるチラシが欲しかったけれど見当たらないのでパンフレット700円買ってしまった。案の定な内容、ま、仕方ないか。