「透明人間」

「透明人間」2019年　米・豪　監督：リー・ワネル

天才科学者で富豪のエイドリアンの恋人セシリアは、彼に支配される毎日を送っていた。ある日、一緒に暮らす豪邸から逃げ出し、幼なじみのジェームズの家に身を隠す。やがてエイドリアンの兄で財産を管理するトムから、彼がセシリアの逃亡にショックを受けて自殺したと告げられるが、彼女はそれを信じられなかった。



古典的怪物映画の中でも、その性室からポルノ・ピンクで多く取り上げられ一般ホラーでも恐怖の中にユーモアを伴う印象ある題材、透明人間。
まさかの古今東西何度も映画にされた透明人間の中でも最高傑作では。
面白かったー。

モラハラ、ストーカー気質の男に透明化を与えるなんてアイデア最高。
作品としてもホラーからサスペンス。しかも終盤はちゃんとエンターテイメントしてる。
誰からも信じてもらえないという心理的恐怖と見えない相手と戦う恐怖の配分がよろしい。
天才科学者エイドリアン、敵に姿を見せないにしても強靭な戦闘能力。なにしろ素手で車窓割っちゃうんだから。その前段では全貌が見えないが終盤ついに全貌露わになる。オルディス・ホッジの風貌に説得力。
兄の存在もまたミステリー要素増し増しに。

ゴツい女、エリザベス・モス
肉体的にも精神的にもあれだけタフなら何故亭主に支配されてたんだろうというご意見も耳にしますが、確かにそう。
パワー対パワーになってしまうからね。
でも、そこはまぁまぁ･･･
モラハラ支配は夫婦感の深い闇であり謎多い事柄ってことで許したって。

本作にちなんで透明人間映画祭希望
新文芸坐AN企画でやんないかな。






IONシネマ板橋
2020年7月