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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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西村賢太 「廃疾かかえて 」

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廃疾かかえて (新潮文庫)西村賢太新潮社発売日:2011-04ブクログでレビューを見る»

読書欲の減退。老眼の進行。
昨年読んだ西村賢太の小説を再読しながらリハビリ。

6歳年下の同棲相手、秋恵ものと呼ばれる一連の作品。その同棲相手との仲も秋風が吹いて、貫多さんやや焦ったり、疑ったり、罵ったり。
自分勝手ではあるけれど同棲相手というモノを非常に大事にしたい気持ちがビンビンに・・・

「廃疾かかえて」

こういうダメ男にひっかかってしまう、幸運な女性。腐れ縁というのは当然相方にも問題があるわけで、ここでは秋恵さんのダメっぷりがあまりに哀しい。
廃疾かかえた男が時に頼もしくも見えるが、勿論その裏は・・・

「瘡瘢旅行」

藤澤清造の歿後弟子を任ずる貫多の執念と藤澤清造運。秋恵を同伴させる買い出し旅行車中も、本当は1人の時間が欲しくうまい事言って窓際前後に別れて座る。いいなぁ。
金欠の貫多だが、売る本があるのでどうにかこうにか金策ができ、時に裕福。たまに豪勢な事をやる。しみったれにはできない豪傑。羨ましい。
岐阜の古書店での掛け合い、1万円で必要もない本を2冊買うんですよね。そして、あっさりゴミ箱に捨てちゃう。
藤澤清造という目的のためにそのような事は当たり前にやってのける。
根は小心者なのに、この大胆さ。

能天気な貫多に忍び寄る別離の兆候。

「膿汁の流れ」

秋恵が祖母の入院のため帰郷。行く必要がないと口論になるが貫多も反省。自分の祖母の事を思いセンチになる。
鬼の居ぬ間の散在が半端でない貫多の行動。本短編集一番の見せ場か。
帰ってきた秋恵と例によって喧嘩になるが、あっさり折れて仲直り。その魂胆は、頭の中は・・・、金色の・・・

いかに自己中、自分勝手であっても相手を愛おしく思う気持ち。それは紛れもなく愛なんですよ、悪いけど。

西村賢太の小説を読んでいると、だんだん調子が上向き読書欲が復活してくる。
でも、故あって、当分書籍に小遣い使うのを控えている。
貫多のように売るべき本が無いし、値がつくかもしれないような物があっても、それは手放せない。
芥川賞の「苦役列車」が文庫になってますね。(映画化もですって、大丈夫ですか?)ワンコインで買えるけど、もう少し我慢。
短編集がどれも薄っぺらで、すぐ読み終わっちゃうところが難ですが・・・

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