「脚本家 桂千穂 血と薔薇は暗闇の映画」
「俗物図鑑」1982年 STUDIO200 監督・脚本:内藤誠 脚本:桂千穂 原作:筒井康隆 16㎜
筒井康隆原作のブラックユーモア大傑作の映画化。企画がATGで断られ自主製作。“出歯亀評論家"“横領評論家"“性病評論家"など奇妙な評論家が集まり、世の良識を向うにまわしてマスコミで活躍する姿を描く。 筒井は自分の小説の映像化で初めて満足したと語った。
筒井康隆作品の映画化というのに今まで観る機会が無かったやつ。 自主映画という事で仕上りはアレなれど当時の文化人が楽しく出演していて貴重。そんな中、山城信伍や安岡力也が流石のノリを見せる。 大林宣彦もSF小町以前にこのようなノリを見せていたのだな。素晴らしい。
平岡正明の芝居を初めて見たが棒読みの青木義郎って感じでなかなかカッコ良い。
フリージャズセッションぶち込んで来るのも当時の筒井カルチャーで嬉しい限り。
まさか、この作品で朝比奈順子追悼するとは思わなかったな。
後半マスコミ批判やPTAのおばちゃんたちの良識との対決となる。 時代はテレビからSNS、YouTuberと移り変わったがむしろさらに面白くなりそう。ラストでカンニング評論家の青年が「30年後またやる」と言っていたが映画から40年になる。少し遅れたが続編作って欲しいな。筒井作品製作中の友松直之監督なんか適任じゃないか?これより10倍は面白くなりそう。 それに備えて(実現せんだろ!)w随分昔に読んだ原作を読み返そうかな~。
2021年5月 ラピュタ阿佐ヶ谷