「没後二十年記念 アートを越境するー 勅使河原宏という天才」「短編集2」
「東京1958」1958年 監督:シネマ57(勅使河原宏、松山善三、羽仁進、草壁久四郎、荻昌弘、川頭義郎、丸尾定、武者小路侃三郎、向坂隆一郎)16mm 30分
実験映画集団”シネマ57”がコンクール出品のため製作した作品。”東京の混沌と古い日本”をテーマに、浮世絵、着物など日本文化を外国人の視線から描く一方、現代東京の猥雑さを対比させる。パートカラーや仏語による説明、早回し等ポップでアヴァンギャルドで限りなくアート。ドキュとフェイク・ドキュを融合させる手法も斬新!
60年以上前の東京。人は密だが街は五輪の6年前でまだまだ疎。通勤ラッシュに競輪場。人が溢れてる様子は、それだけで映像的魅力があるな。
外国人向けの紹介映像要素があったんかな。
化粧する女、着物の着付け、浮世絵との合成。
子供も沢山産まれたが自殺も多かった。
映画館は600以上もあった。
個人的イメージ
1958年とは岡田茉莉子が一番綺麗な頃。行ってみたい。
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「白い朝」1965年 監督:勅使河原宏 35mm 29分
四ヶ国合作映画の日本編監督に選ばれた勅使河原、武満徹、安部公房、写真家の石元泰博、粟津潔と豪華メンバー。パン工場で働くアコをトップモデルの入江美樹が演じる”労働者の休日”映画。休日を楽しむ若者たちの姿にパン工場での労働が挿入され、街のノイズなどもコラージュされる。クローズアップの多様とカット割りの多さ、音楽と音の使い方が前衛的。
パン工場で働く娘の青春。
武満徹の音響、音楽。パンの質感、カット割り多目の映像の中で娘・入江美樹の容姿を楽しめる。
あんた、泣いてんのね…
台詞を極力排してのドキュメント・タッチが新鮮さを生むのはやはりもう一人の天才、武満徹の力が大きいと思う。往年クラシックな名作無声映画に武満徹の音を合せながら観てみたい気がしてきた。
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「1日240時間」1970年 監督:勅使河原宏 デジタル 31分
1970年大阪万博の自動車館で上映された短編作品。生き物の動きを10倍速にするアクセルチン発明が巻き起こす悲喜劇を特殊技術や色彩技術を駆使して描いたSFミュージカル。激しいスピードで変貌を遂げる社会と拡大される時空間を風刺。ユーモアとエスプリに溢れたセンス抜群の一本。4面スクリーンで上映されていたものを1画面に構成したヴァージョンで上映。
EXPO70 自動車館
当時人気のパビリオンだったと記憶、入れてない。半世紀後に劇場で観るとはね。
マルチスクリーンを1画面に構成した上映。現地ではもっと迫力も驚きもあったんだろうな、今では貴重な映像資料。
ミニスカ
トップレス
007的なエンディングかっこ良い。