「没後二十年メモリアル 新珠三千代・美貌の罪」
「死の十字路」1956年 日活 監督:井上梅次 デジタル
誤って殺した妻の死体を処分しようと奔走するうち更に死体を背負い込んだ男の悲喜劇を到叙形式で描く。夜の街、うさんくさい警察や探偵などノワールのテイストが色濃い傑作。ヒール役の大坂志郎、安部徹が素晴らしく、愛人新珠の天然ぶりに思わず失笑。
原作江戸川乱歩
愛人宅に宗教狂いの本妻(山岡久乃)が刃物持って急襲。取り押さえようとして妻を殺してしまった社長(三國連太郎)が死骸を捨てに車で運ぶ途中事故る。その際に瀕死の男(大坂志郎・二役)に乗り込まれ新たな別の死体を請け負う事に。。
前半の巻き込まれ展開が最高に面白い。
二つの別の事件が十字路で交差する。
山岡久乃と大坂志郎の死に顔。新珠三千代の入浴。芦川いづみの放送劇。
基本的に優しい 三國連太郎社長に健気に着いて行く美人秘書の新珠三千代。新珠さん、こういう役をやるとホントにかわゆ。
殿方の脱ぐ背広を引き取る所作が美し。
大坂志郎(二役)のチョイ悪探偵。安部徹の正当警部。
三國の「犯罪を隠すのは並大抵の事じゃないね。一つ片付いたらまた別の所でくすぶり出す」まさに。
根が良い人の三國連太郎と新珠三千代だけにラスト悲し。