「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021」
「まりあのへあ」2020年 監督:永瀬草也
母、マリアは息子のコウを若くして産み育てあげて、今日がコウの18才の誕生日。いつも通りの騒がしい日常を送り、幸せを噛み締めるマリアの前でコウが死ぬ。マリアはコウとの日々を取り戻す為に常連客、西上の一生を一からやり直す能力を使って何度もコウの死に抗ったが。コウの死は覆られないばかりか、二人は親子では無くなり、更にはコウは盲目になってしまう。遂にマリアはコウの死に争う事を諦め最後の冬を共に過ごす事を決める。抗う事を諦めた彼女は何を思い、どう生きるのか。
マリア:コウの⺟親でソープ嬢。コウの死を阻む為に何度も⼈⽣を⼀からやり直す。 コウ:マリアの息⼦で18才になる。⻄上の⼈⽣をやり直す能⼒を使い続けた結果最終的にはマリアとの⾎縁関係は無くなり。盲⽬になる。 ⻄上:特殊能⼒によって⼈⽣を何度でも⼀からやり直す事が出来る。 エビ、リリー、タカシ、ミキ、店⻑:マリアの所に転がり込む愉快な仲間たち。 121分の尺。 マリアと愉快な仲間たちの台本に書いてなきゃ出てきそうにない会話の応酬が面白い。 紹介あらすじから、まどマギのホムラを連想するSFものの魅力や、息子が盲目になるという因果がかなり興味深く思えるわけだが、映画的に盛り上がりそうなタイムスリップ場面は実にアッサリ、開始45分ほどで決着。盲目の因果もよく解らない。監督は後半の「抗う事を諦めたマリアが何を思い、どう生きるのか。」に焦点を置きたっかたのだろうが、それにしては後半、会話の応酬の瞬発力にも慣れ、ダラけてしまったかな。 最後の一日をかなりの尺を使って微妙に違うくり返しが為される。 煙草と赤が似合うマリアの廣田朋菜の顔面力が健在だが、アップのシーンが少ないのも惜しい。 「へや」じゃなくて「へあ」なんだけど?ヘアは無し。 若きZ世代監督の才能の一片は十分に感じ取れた。 ゆうばり国際公式オンライン 2021年9月