「没後二十年メモリアル 新珠三千代・美貌の罪」
「結婚のすべて」1958年 東宝 監督:岡本喜八 35mm
古風な大学教授夫人の新珠と現代娘の雪村を中心に、恋愛結婚が流行りだした当時の風俗を描く風刺恋愛喜劇。ポップな音楽、スピーディーでハイテンションなセリフ回し、切れ味の良い演出と、岡本喜八の才気が爆発するデビュー作。トンデモ役でゲスト出演している世界の三船の演技にも注目!
岡本喜八長編第一作はジャパニーズ・スクリューボール・コメディの傑作なのね。流石のテンポで飽きさせない。
現代(1958年当時)見合い結婚して晴れてても蝙蝠傘持つ無粋な大学教授(上原謙)との夫婦生活には堅実でありながら何か物足りなさを感じている姉(新珠三千代)と姉のような結婚は嫌でドラマチックな恋愛に憧れる妹(雪村いづみ)の結婚感。
「私のベルを鳴らしてくださらない」に「?」の上原謙の凡庸さにお手上げかと思ったが後半、良い亭主に豹変して「君が悪い時は僕も悪い。君が謝らなきゃいけない時は僕も謝らなきゃいけない」なんて名言からのアツアツラブシーンが凄い。
新珠三千代は三橋達也に乗せられ新しい世界に踏み出そうともしたが、元の生活こそ幸せだと知る。
雪村いづみは活発な理論家だが思いを寄せてた男と両思いになるも、男の身勝手な結婚感に傷つく。私は甘い子供だったと反省し姉同様、親の選んだ男と見合いを承諾するのだが、あくまでも進歩的で見合い相手(仲代達也)と事前接近するのが良い。二人で街中を速射砲のように台詞を応酬しながら歩く姿が気持ち良い。
白坂依志夫の脚本も優れモノなんだな。
当時の貞操観念、良くも悪くも隔世の感。
「私、他の男性とキスした事あるのよ」だってさ。
そしてこの映画、ミッキー・カーチスのステージシーンと団令子の登場シーンが超絶カッコいいのだ!
シネマヴェーラ渋谷
2021年7月
「結婚のすべて」1958年 東宝 監督:岡本喜八 35mm
古風な大学教授夫人の新珠と現代娘の雪村を中心に、恋愛結婚が流行りだした当時の風俗を描く風刺恋愛喜劇。ポップな音楽、スピーディーでハイテンションなセリフ回し、切れ味の良い演出と、岡本喜八の才気が爆発するデビュー作。トンデモ役でゲスト出演している世界の三船の演技にも注目!
岡本喜八長編第一作はジャパニーズ・スクリューボール・コメディの傑作なのね。流石のテンポで飽きさせない。
現代(1958年当時)見合い結婚して晴れてても蝙蝠傘持つ無粋な大学教授(上原謙)との夫婦生活には堅実でありながら何か物足りなさを感じている姉(新珠三千代)と姉のような結婚は嫌でドラマチックな恋愛に憧れる妹(雪村いづみ)の結婚感。
「私のベルを鳴らしてくださらない」に「?」の上原謙の凡庸さにお手上げかと思ったが後半、良い亭主に豹変して「君が悪い時は僕も悪い。君が謝らなきゃいけない時は僕も謝らなきゃいけない」なんて名言からのアツアツラブシーンが凄い。
新珠三千代は三橋達也に乗せられ新しい世界に踏み出そうともしたが、元の生活こそ幸せだと知る。
雪村いづみは活発な理論家だが思いを寄せてた男と両思いになるも、男の身勝手な結婚感に傷つく。私は甘い子供だったと反省し姉同様、親の選んだ男と見合いを承諾するのだが、あくまでも進歩的で見合い相手(仲代達也)と事前接近するのが良い。二人で街中を速射砲のように台詞を応酬しながら歩く姿が気持ち良い。
白坂依志夫の脚本も優れモノなんだな。
当時の貞操観念、良くも悪くも隔世の感。
「私、他の男性とキスした事あるのよ」だってさ。
そしてこの映画、ミッキー・カーチスのステージシーンと団令子の登場シーンが超絶カッコいいのだ!
シネマヴェーラ渋谷
2021年7月