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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「誰かの花」

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横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画作品

「誰かの花」2021年 ガチンコ・フィルム 監督:奥田裕介

鉄工所で働く孝秋は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義と、そんな父に振り回される母・マチのことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は数年前に他界した孝秋の兄との区別がつかない様子で、孝秋を見てもぼんやりとうなずくだけだった。ある日、強風の中で団地のベランダから落下した植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが出動する騒ぎが起こる。父の安否を心配する孝秋だったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。ベランダの窓が開いたままで、忠義の手袋に土が付着しているのを見つけた孝秋は、父への疑いを募らせていく。




被害者加害者それぞれの悲しみ苦しみ。
ヘルパーの子が助けた虫、次の日は死んでた。

大石吾朗の「交通殺人」子役の子の「殺人者が」の言葉に悲しくなる。

次男坊が両親を被害者の会に呼ばなかった理由。母親が語る裁判での父親の振る舞い。植木鉢過失の離婚男の娘に当てたケーキのメモ。60年代のような団地の近所付き合い。登場人物の苦しみや悲しみ、憎しみの中で見せる優しさにズシンと。

和田光沙のエレベーター独白。誰かにしゃべるだけで心が軽くなれる。それがカトウシンスケである事の必然。
登壇でカトウシンスケと二人で言ってたけど、あそこへ持って行くまでの喫煙所での関係性、距離感は絶妙だった。カトウシンスケの役はけっこう危ないからね。亡き兄への強いコンプレックス。鉄工所で仲間に独り言のように問いかけてる。



また登壇トークでの和田光沙の役者としての新しい感情の目覚めの話。今後も楽しみ。

吉行和子、老いた母親役とても素敵。








  

  

 

  

楠本相太・・・太田琉星   岡部聡・・・篠原篤
楠本灯・・・和田光沙   野村孝秋・・・カトウシンスケ
長谷川里美・・・村上穂乃花
野村マチ・・・吉行和子   野村忠義・・・高橋長英





主演のカトウシンスケ、初めて見たが、汚ねえ顔したダメ男の役なんだけど妙に色気があって、共演者の和田光沙や村上穂乃佳、母親役の吉行和子とでさえ二人きりのシーンはドギマギしちゃう。何も無いけど。



考えてたらタイトルがすごく良いではないか。



渋谷ユーロスペース
2022年2月



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