「ウクライナの大地から」
「灰色の石の中で」1983年 ソ連 キラ・ムラートワ
原題:Среди Серых Камней
愛する妻を亡くした判事は息子を顧みようとせず・・・。お坊っちゃまと廃墟に住む兄妹の冒険譚。徹底的に貧富の差を描き政治を批判したせいか、当局により一部カットを余儀なくされた。浮浪者の妹が同じ台詞を繰り返す狂気もホラーで、後期ゲルマンを思わせるカオス的世界が広がっている。1988年、本作はカンヌの「ある視点部門」上映作に選ばれた。
顔を手で覆う判事の冒頭。一瞬カラーだけど無声作品かと戸惑ったが咳こんで安心。そんな調子故時々睡魔と戦う事になってしまった。お坊ちゃんの甲高い声を頼りに頑張る。
判事の息子で裕福に育つも母を失くした木登り上手なお坊ちゃまが孤独を紛らわし乞食の兄妹と交流する。父親も妻を失くし自分を見失ってる。
子供にとっての貧富の格差には偏見はなく。。
乞食兄妹の父親が、「正直とはデザートのような物、食事の後にしか出てこない。」上手い事言う。
妹の異形侏儒感とロシアのお人形の取り合わせにホラー味。病のためか同じ言葉を繰り返すのも怖い。
坊っちゃんと使用人とのやりとり、美しい妹。何故か背徳感。
子供のシーンの演出が丁寧。一歩間違えるとあざとくなる線を巧妙に。
社会批判的な内容なせいか、かなり検閲編集が入っているらしい。そのため監督は変名クレジットだとか。
シネマヴェーラ渋谷
2022年6月
「灰色の石の中で」1983年 ソ連 キラ・ムラートワ
原題:Среди Серых Камней
愛する妻を亡くした判事は息子を顧みようとせず・・・。お坊っちゃまと廃墟に住む兄妹の冒険譚。徹底的に貧富の差を描き政治を批判したせいか、当局により一部カットを余儀なくされた。浮浪者の妹が同じ台詞を繰り返す狂気もホラーで、後期ゲルマンを思わせるカオス的世界が広がっている。1988年、本作はカンヌの「ある視点部門」上映作に選ばれた。
顔を手で覆う判事の冒頭。一瞬カラーだけど無声作品かと戸惑ったが咳こんで安心。そんな調子故時々睡魔と戦う事になってしまった。お坊ちゃんの甲高い声を頼りに頑張る。
判事の息子で裕福に育つも母を失くした木登り上手なお坊ちゃまが孤独を紛らわし乞食の兄妹と交流する。父親も妻を失くし自分を見失ってる。
子供にとっての貧富の格差には偏見はなく。。
乞食兄妹の父親が、「正直とはデザートのような物、食事の後にしか出てこない。」上手い事言う。
妹の異形侏儒感とロシアのお人形の取り合わせにホラー味。病のためか同じ言葉を繰り返すのも怖い。
坊っちゃんと使用人とのやりとり、美しい妹。何故か背徳感。
子供のシーンの演出が丁寧。一歩間違えるとあざとくなる線を巧妙に。
社会批判的な内容なせいか、かなり検閲編集が入っているらしい。そのため監督は変名クレジットだとか。
シネマヴェーラ渋谷
2022年6月