「燃えあがる映画小屋リターンズ」七里圭監督最新作『背 吉増剛造X空間現代』公開記念
「のんきな姉さん」2004年 スローラナー 監督:七里圭 原作:山本直樹 35mm→DCPデジタルリマスター
姉との禁じられた愛の記憶を小説に書き、雪山で自殺しようとする弟と、聖なる夜にオフィスで残業する姉。その二人の現在に、記憶=小説がフラッシュ・バックされてゆく。雪山と都会、現在と過去という二つの空間、二つの時間が溶け合う瞬間、弟のささやく声は物語の全てを宙づりにする…。七里は長編映画デビューにあたって、敬愛する山本直樹の同名漫画を原作にし、その漫画の霊感源、唐十郎『安寿子の靴』、森鴎外『山椒大夫』までも射程に収めた。夢のような物語を綴る、淡い光とゆらめく影は、名手たむらまさきの撮影。
画面と音声の時間がズレたり、リフされたり、長回しが印象的。
小説内フィクションとリアルの境い目が曖昧で面白い。
姉弟の戯れが可愛いだけに相姦関係が息苦しい。
弟を養子にとった老人・佐藤允怪しすぎ。オネエ言葉になるとこ良い。
弟を突き放す姉が安寿子(梶原阿貴)
ヌードモデルの弟が寿司夫(塩田貞治)
弟くんの同級生はなちゃん可愛い。(竹花梓)
三浦友和課長と弦楽の劇伴が時々ウザい。
絵の美しさ。雪原、火事、夜景、花火。
一瞬ロケ地が地元っぼく再確認したかった。
しょっちゅうやってる同監督の「眠り姫」今度見てみようかな。
アテネフランセ文化センター
2022年10月
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「のんきな姉さん」
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