「殺しを呼ぶ卵」最長版 1968年 伊・仏 監督:ジュリオ・クエスティ
La morte ha fatto l'uovo
ローマ郊外にある巨大養鶏場。社長マルコは業界の名士として名を知られていたが、経営の実権と財産は妻アンナに握られている。マルコは同居しているアンナの10代の姪ガブリと愛人関係にあり、妻への憎しみを女性へのサディズムで発散していた。やがて3人それぞれの隠された欲望が暴かれ、事態は予測不可能な方向へと転がっていく。
「シャブ漬けのゴダールが撮ったような知らざれるカルト作」だそうで、「キャンディ」のエヴァ・オーリンが出ておりポスタービジュアルが超絶カッコ良いので。
前衛な劇伴が終始やかましい。観終わってみるとストーリーは単純明なんだけど鑑賞中はミスリードさせてくれるのも面白い。
カッコいいと思ってた交通事故のポスタービジュアルは妄想フラッシュバック。
前衛音楽も使い方が難しいのかもしれない。個人的にはこの劇伴はNOです。
そんな音の中、エヴァ・オーリンとジーナ・ロロブリジータが美貌と60年代ファッションで楽しませてくれる。
エヴァの薄ぅ~い黄色ビキニ。ジーナの勝負下着。
両者の関係、もう一歩か二歩、百合に踏み込んでいただけるとなお良いけど贅沢は言わない。
マルコ(ジャン=ルイ・トランティニャン)の黒皮手袋、SMサイコ。
養鶏所の実権を妻から奪いマルコに対し、妻アンナ(ジーナ・ロロブリジータ)は冷えた夫婦関係をもう一度取り戻したいと案外健気。
姪のガブリ(エヴァ・オーリン)は強かで、出入りの広告マンとも関係を持ち養鶏場を乗っ取る計画。
養鶏場の描写だけでも映画的魅力。やはり鶏は大量に居る事だけでも狂気の映画に相応しい。
さらに、餌を作る巨大なローラー・ゴロゴロ。犬のクロ。
公開時にカットされたというグロテスク描写は人為的異形鶏を叩き殺すシーンかな?
ラストで刑事の一人が鶏卵をチューとすするつまみ食いがとても好き。
監督はマカロニ・ウエスタン「情け無用のジャンゴ」の人だそうで、この映画見たみたいやつなんですよね。
あと、「キャンディ」も一度劇場大スクリーンで観てみたい。
クリスマスの時期に観たので、その晩のローストチキンの美味さが増したぜ。
新宿シネマカリテ
2022年12月
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「殺しを呼ぶ卵」
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