Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「ミス・ヨーロッパ」

$
0
0
「ハリウッドのルル」刊行記念 宿命の女 ルイズ・ブルックス

「ミス・ヨーロッパ」1930年 仏 監督:アウグスト・ジェニーナ
Miss Europe Prix de Beaute

新聞社のタイピスト・ルルは軽い気持ちでミスコンに写真を送りミス・ヨーロッパに選ばれる。ルルが男に見られることを嫌う恋人は、彼女を家庭に縛り付けるが・・・。貴族からマハラジャまで夢中になるルルの魅力が溢れる。キラキラした世界に惹かれる恋人への男の非難と憎しみが、現代のモラハラやストーキングにも通じる一作。監督を降りたルネ・クレールもブルックスを主役にと望んでいた。



ルイズ・ブルックス特集1本目。
巨大遊興プールでの若者たちのシーンやらお祭りのアトラクションなどサイレントからトーキー移行初期らしい映像の中、写真でしか見た事のない元祖ボブ美人のルイズ・ブルックスが動き喋りケタケタキャハハと笑い、歌まで歌うのだから(実のところ全て吹き替えらしい)それだけで文句は無いのだけれど…
タイピストのルイズと活字拾いのカップルのいつも横にいる同僚眼鏡くん、彼がイジられキャラで二人から虐めともいう仕打ちを受けながらなかなか良い関係に感じてた。それだけに後半、彼が本当は愛し合ってるはずの二人の悲しい結末に行く過程で救世主として機能しないどころかほとんど退場状態であったのが残念。あれでは苛められ損だな。





ミスコンの場面以降後半はやや活力に欠けるように感じたのも眼鏡くんの不在ゆえか?



プールでの準備体操に男たちの視線が集まる事に耐えられず嫉妬する恋人におもむろに歌う「不実と思わないで、あなただけを愛してる」の歌。ミス・ヨーロッパ・ルルの最初の映像作品中に再登場し、結末を象徴するのは良かった。





シネマヴェーラ渋谷
2023年4月

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles