「火曜の夜は新東宝」
「恋愛ズバリ講座」1961年 新東宝
大蔵社長退陣後の新企画による第一作で、三部に分れたオムニバス映画
第一話「吝嗇」監督:三輪彰
リッチマン会社の社長は女あさりに浮身をやつすドンファンでありながら大変ケチンボである。ある日、一人の美しい女社長を見染めて浮気の虫が動き出した。ところが、彼女は社長におとらぬケチンボだった。社長が目をつけていたバーの女給と、女社長の秘書はがめつい社長にいじめられながらも、彼らもがめつさを発揮し、社長から大金をまきあげて姿をくらましてしまった。
抑揚なく早口でしゃべる演出がマンガチックでシュールな世界観を醸しかなり好き。
天知茂のある意味ベスト・アクト。
ベッド上で正座のままピョンピョンと小畠絹子に迫る。
吝嗇男と強欲女が手を結び夫婦会社を立ち上げようとするが、バーの娘と若い秘書に一杯食わされ。
シュールな世界観の中で同じくシュールでありながらもチャッカリ元気娘・星輝美の存在が印象的。
第二話「弱気」監督:石川義寛
ある田舎に原子力発電所が建設されるというので大騒ぎとなった。来村のお役人さまの歓迎ぶりは村はじまって以来の物々しさだ。気の早い連中は、娘や二号を毎夜の酒宴に総動員した。だが、実は彼は弱気のために逃げられた娘を追って、この田舎にとんできた恋人という人違いで。
弱気純情童貞演じる菅原文太のある意味ベスト・アクト。
勇気の出る物、熱い接吻。
子供の頃のトラウマで苦手女優だった池内淳子も古い映画を見るようになって徐々に拭えてきたが本作で完全払拭か。とても良い。
終盤一瞬車掌姿で登場する大空真弓(こちらも幼少時には苦手)共々。
基本ギャグ喜劇だかラストが良い。
駆落ちバスの中、将来の生活に不安を感じ「次のバス停で降りようか」と立ち上がる文太。「お父さんはこれから本当に一人ぼっちだね。」に今度は淳子が「次のバス停で降りようか」俯瞰の景色になってバスがバス停に止まり、発車すると..そこには。
年一妊みのヤリマン芸者に若杉嘉津子。
助役の愛人好色後家は山下明子。
第三話「好色」監督:石井輝男
ダンディな青年は、新婚旅行の途上で不慮の事故から失った花嫁の追憶に胸を痛めていたが、心やさしい妹が彼の傷心を慰めていた。やがて、幼稚園で働いているという娘と知り合いになった。娘の悩みはチンピラやくざの弟のことだった。姉を信頼していた弟は、ダンディな青年と姉の関係を知って頭を悩まし、青年の妹は兄とつき合っている娘の弟の素行を知って心を痛めた。
兄妹を装う連続遺産殺人コンビ、沖竜次、魚住純子。
これはもうある意味通り越して三原葉子のベスト・アクトか。
東北訛のグラマー純情保母さん。
ダンスホールでままならぬ社交ダンスで足踏んづけまくりも酔うと豹変、バンドをバックにソロストリップが超お見事。下着になってデカバンをヒップボーンに下げるなんざ最高。カオスなダンスシーンにちゃっかりチョイ役で登場する吉田輝雄が爆笑に花添える。
そしてストリップダンスの姿こそがこの保母さんの本性である事が解るラスト落ち。そりゃあ三原葉子ですもんね。
沖竜次曰く「たまんねーぜ、あのおっぱい」
Filmarksでは3話別々になっているけれど配信とかでバラ売りとかあるのでしょうか。やはりオムニバスでちゃんと3話見る方式の方が断然良いと思う。
池袋 新文芸坐
2023年7月
「恋愛ズバリ講座」1961年 新東宝
大蔵社長退陣後の新企画による第一作で、三部に分れたオムニバス映画
第一話「吝嗇」監督:三輪彰
リッチマン会社の社長は女あさりに浮身をやつすドンファンでありながら大変ケチンボである。ある日、一人の美しい女社長を見染めて浮気の虫が動き出した。ところが、彼女は社長におとらぬケチンボだった。社長が目をつけていたバーの女給と、女社長の秘書はがめつい社長にいじめられながらも、彼らもがめつさを発揮し、社長から大金をまきあげて姿をくらましてしまった。
抑揚なく早口でしゃべる演出がマンガチックでシュールな世界観を醸しかなり好き。
天知茂のある意味ベスト・アクト。
ベッド上で正座のままピョンピョンと小畠絹子に迫る。
吝嗇男と強欲女が手を結び夫婦会社を立ち上げようとするが、バーの娘と若い秘書に一杯食わされ。
シュールな世界観の中で同じくシュールでありながらもチャッカリ元気娘・星輝美の存在が印象的。
第二話「弱気」監督:石川義寛
ある田舎に原子力発電所が建設されるというので大騒ぎとなった。来村のお役人さまの歓迎ぶりは村はじまって以来の物々しさだ。気の早い連中は、娘や二号を毎夜の酒宴に総動員した。だが、実は彼は弱気のために逃げられた娘を追って、この田舎にとんできた恋人という人違いで。
弱気純情童貞演じる菅原文太のある意味ベスト・アクト。
勇気の出る物、熱い接吻。
子供の頃のトラウマで苦手女優だった池内淳子も古い映画を見るようになって徐々に拭えてきたが本作で完全払拭か。とても良い。
終盤一瞬車掌姿で登場する大空真弓(こちらも幼少時には苦手)共々。
基本ギャグ喜劇だかラストが良い。
駆落ちバスの中、将来の生活に不安を感じ「次のバス停で降りようか」と立ち上がる文太。「お父さんはこれから本当に一人ぼっちだね。」に今度は淳子が「次のバス停で降りようか」俯瞰の景色になってバスがバス停に止まり、発車すると..そこには。
年一妊みのヤリマン芸者に若杉嘉津子。
助役の愛人好色後家は山下明子。
第三話「好色」監督:石井輝男
ダンディな青年は、新婚旅行の途上で不慮の事故から失った花嫁の追憶に胸を痛めていたが、心やさしい妹が彼の傷心を慰めていた。やがて、幼稚園で働いているという娘と知り合いになった。娘の悩みはチンピラやくざの弟のことだった。姉を信頼していた弟は、ダンディな青年と姉の関係を知って頭を悩まし、青年の妹は兄とつき合っている娘の弟の素行を知って心を痛めた。
兄妹を装う連続遺産殺人コンビ、沖竜次、魚住純子。
これはもうある意味通り越して三原葉子のベスト・アクトか。
東北訛のグラマー純情保母さん。
ダンスホールでままならぬ社交ダンスで足踏んづけまくりも酔うと豹変、バンドをバックにソロストリップが超お見事。下着になってデカバンをヒップボーンに下げるなんざ最高。カオスなダンスシーンにちゃっかりチョイ役で登場する吉田輝雄が爆笑に花添える。
そしてストリップダンスの姿こそがこの保母さんの本性である事が解るラスト落ち。そりゃあ三原葉子ですもんね。
沖竜次曰く「たまんねーぜ、あのおっぱい」
Filmarksでは3話別々になっているけれど配信とかでバラ売りとかあるのでしょうか。やはりオムニバスでちゃんと3話見る方式の方が断然良いと思う。
池袋 新文芸坐
2023年7月