「OIZUMI 東映現代劇の潮流2024」
「牝」1964年 東映東京 監督:渡辺祐介
同世代の若い肉体では物足りず既婚者に恋した娘は己の出生の秘密や父の愛人の出現に衝撃を受けながら愛の実体を掴もうとする。渡辺祐介監督「二匹の牝犬」「悪女」を経て主役に抜擢された緑魔子が強烈な個性でタブーに挑む。
中村伸郎見たくて8年ぶり鑑賞。
つや子(緑魔子)は父・首藤栄太郎(中村伸郎)の法律事務所で働く妻子持ちの半沢(菅佐原英一)と愛人関係。半沢の妻・絹(久保菜穂子)はかつて首藤の事務所で働いていた。
首藤は亡くした妻の不貞の相手が部下の半沢だったという事を知っており、冷めた夫婦間を相談に来た絹と急接近。
父娘と夫婦のスワッピングになりかねない状況と近親相姦。
緑魔子はジェリー藤尾と佐々木功とで青春。野球場、安アパート。
東京大空襲の回想。東京オリンピックの開催。
連れ込みからの坂道。郵便ポスト。向日葵。駐車場付きじゃないんだね。
TV出演している愛人・緑魔子を眺めながら妻を抱く菅佐原英一もなかなかド変態。
冷え切った夫婦の関係をクールな久保菜穂子がモノローグで伝える文学性。
法律事務所の中村伸郎パパ。この佇まいで背後にSEX が見える役柄の時に最高にカッコいい役者。
闇の中で久保菜保子と抱擁、接吻。またまた中村伸郎レトロスぺクティブ待望高まる。チェリオ!
ラピュタ阿佐ヶ谷
2024年3月