Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

ダーティ工藤RETROSPECTIVE 4日目

$
0
0

ダーティ工藤監督の回顧上映会最終日。物好きだから当初はコンプリしてまおうという勢いだったが3日目が伊藤猛映画祭と重なってしまったので欠席となった。

「ぴんくりんく緊縛編 第壱部」2010年 DKプロダクション 緊縛・編集・監督:ダーティ工藤

ダーティ工藤監督のプロダクションと太田耕耘機のフリーペーパー「ぴんくりんく」の同時十周年を記念して企画された作品。第一部はピンク女優へのインタビューとお馴染み緊縛の組合せで進む。

女優それぞれがAVとピンク映画の違いにピンク映画の皆で作り上げていく過程が楽しいと共通の見解を話してくれる。中でも日高ゆりあのインタビューが好印象。というのは実は個人的にはあまり好みでない女優さんだったのだが、ちょっと見る目が変わった。また、緊縛になると先に出た先輩熟女優以上に熟女顔になる事を発見できたのは良かった。涙、涎を垂らしての緊縛大熱演も良かった。上映後トークでの監督によると緊縛された表情とかの演出指導は一切行っておらず、女優まかせ。皆同じ縛り方をしたうえでの女優それぞれの表現を楽しめるという意図があるわけだ。

 

楽しみにしていた佐倉萌パートだけは音声無し字幕のみだったのは少し残念だが字幕でも締めの一言がカッコ良く流石。インタビュー緊縛の連続に無声パートを入れる事により飽きが来ない構成だと思ったけど、これは製作サイドの完全なミスとの事。佐倉萌さんにしたら残念だろうが怪我の功名か。最後の伊藤清美は彼女のお店でのインタビューで緊縛も今は無き亀有名画座内で芝居仕立て。映写室でストッキング覆面のダーティーに緊縛される。伊藤清美の緊縛だけは過去に撮った素材を使っている。

出演は若林美保、伊沢涼子、日高ゆりあ、佐倉萌、上原優、真咲南朋、伊藤清美。

ぴんくりんく10周年に相応しいピンク愛に満ちた貴重な作品。

 

「ぴんくりんく緊縛扁 第弐部」2010年 DKプロダクション 緊縛・編集・監督:ダーティ工藤

こちらは第壱部の続編ではなく全く内容が違うので、第弐部だけ単独で鑑賞しても問題ない。もっとも単独で上映する機会があればの話ではあるが。
ぴんくりんくで公募した新人緊縛モデルの応募してきた2人の女。年増の方が古本奇納子。若い方が町田翠。屋上で初体験緊縛撮影を終えてのインタビューでそれぞれ対象的な感想と緊縛への関わりが語られる。

道ですれ違う2人のショットがポイントである。上映後トークによればこれも2日目にやった「ふたりの女」の手法で当時の監督のルーティンなんですね。上手、下手から登場する二人が建物の前で向き合い、微妙な間を置いてから建屋に入っていくパターン。緊縛はいづれも二人並列でなされる。ぴんくりんく倉庫なのかピンク映画のポスターが張り廻らされた部屋。おもむろにBGMとしてアカペラエロソング。工藤監督が歌っているのかと思うがそうではなく・・・信仰じゃない、親交のあったAV監督兼ミュージシャンのGOLDMAN氏。この歌が緩いながらけけっこう癖になる。梅田日活劇場でのロケ、映写室で緊縛される二人。どこかの試写室での緊縛。スクリーンに映しだされる渡辺護1965年「紅壷」とのコラボレーション。終盤は工藤監督のアイデアてんこ盛り状態でラストとしてのアイデアがとても良いのだけどそこでスッパリ終らず、次のアイデアとなかなか終演を迎えない状態に。
渡辺護フィルモグラフィ、渡辺監督の作品名が字幕で次々に現れる。長谷川千沙がピンク映画のタイトルを読み上げるだけの動画をupしていたのを思い出した。フリーペーパー「ぴんくりんく」のバックナンバースライドショー、さらに本編を白く画像加工した振り返りがあって漸くEND。なんか収拾が付かなくなって心配になるけど、これもピンク映画愛と思えば素晴らしい。

とても貴重な上映が見られて良かったけれど相変わらず集客が寂しい。世の中に物好きはいくらでも居ると思うんだがな。これでは自分がよほど物好きな感覚に捕らわれてしまうではないか。間違っちゃないけど。

欠席となった3日目の「石井輝男映画魂」は今後どこかで観る機会あるだろうか?RETROSPECTIVE4日間、作品の中では一番上映可能性があると思えるので微かに期待して待つ。というか「無頼平野」をもう一度観たいのよね。

 

神保町 ネオ書房@ワンダー店
2024年9月


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles