「東宝ニューアクションを狙撃せよ」
「ヘアピン・サーカス」1972年 東宝 監督:西村潔
ライバルの三沢を事故死させてしまったマカオのグランプリ以来、島尾俊也の名はレース界から消えた。自動車教習所の個人指導員というのが今の職業。そんなある日、島尾は、高速道路でカモを見つけてはスピードを競い相手の車を挑発して事故に追いやる若者のグループを目撃する。そのグループの中で女王然と振る舞う一人の女に、島尾は見覚えがあった。彼女の名は小森美樹といった。一年程前、島尾に運転を習いにきた娘で、驚異的な反射神経と抜群のカンを持っていた。そして、その反抗的な眼はいつもキラキラと輝いていた。
車にも運転にも興味を持てない私がこの映画を見て果たして楽しいのだろうかという不安がありましたが、それはまったく大丈夫でした。
車好きでしたら、もっともっと楽しめるでしょうね。
オープニングの首都高を走るカメラが車をガンガン抜いていくゲーム感覚のシーンからただものでない雰囲気を醸す本作。
やはり公道でのカーチェイスがこの映画の見所でしょう。
菊地雅章のフュージョン系ジャズに乗せて夜の公道を疾走する美樹(江夏夕子)と島尾(見崎清志)の車。
江夏夕子の駆る車はトヨタ200GTだそうです。ふ〜ん。
ヘッドライトが滲む中のカーチェイスの美しさ。昼間の雪の中、氷を弾き飛ばしながらスピンするショットもイメージ的に挿まれる。
あたかも会話を交わしているような2車両の映像は官能的であり、ジャズのインプロヴィゼーションを想起させます。
さて、車より女優さんの方に関心はありますので、そちらに触れます。
小森美樹(江夏夕子)は教官であった島尾に目いっぱい気があるようで、やたら突っかかる跳ねっ返りのお嬢さん。ご本人も運転の腕前は相当なものだそうで吹き替えなしでドライビング・テクニックを見せているとか。
悲惨な最期の手首はもちろん吹き替えです。綺麗な手首でした。
同じく島尾教官に運転を習いにきているキャピキャピのドジ娘が田坂都。
島尾俊也の奥さんで赤子を抱きながら、窓から不安そうに夫を見つめているのが戸部夕子。ストーリーにほとんど絡んできませんが島尾の私生活がちょっぴり覗える。
ジャズ・シンガーの笠井紀美子が島尾のライバルでレース中に事故死したレーサーの妻。
レース場で展開を見つめるショットが何度かと歌うシーンがちょっぴり。クラブで島尾と再会して挨拶をする。ただそれだけですが、そのファンキーな顔立ちがとても印象に残ります。
役者ではなかった(レーサー)見崎清志が神経質そうなクールガイを無難に(上手くと言っても良いでしょう)演じていて小森美樹のあしらいもよろしいのではないでしょうか。
当時流行のフュージョン系というのはあまり好みじゃなかったのですが、時を隔てて、映画のサントラとして聴くと、これが結構、良いかも。
菊地雅章六重奏団も出演。峰康介がソプラノサックスを吹いてます。
菊地雅章:piano, fender piano
菊地雅洋:organ
峰 厚介:sax
鈴木良雄:bass
日野元彦:drums
中村よしゆき:drums
銀座シネパトス
「ヘアピン・サーカス」1972年 東宝 監督:西村潔
ライバルの三沢を事故死させてしまったマカオのグランプリ以来、島尾俊也の名はレース界から消えた。自動車教習所の個人指導員というのが今の職業。そんなある日、島尾は、高速道路でカモを見つけてはスピードを競い相手の車を挑発して事故に追いやる若者のグループを目撃する。そのグループの中で女王然と振る舞う一人の女に、島尾は見覚えがあった。彼女の名は小森美樹といった。一年程前、島尾に運転を習いにきた娘で、驚異的な反射神経と抜群のカンを持っていた。そして、その反抗的な眼はいつもキラキラと輝いていた。
車にも運転にも興味を持てない私がこの映画を見て果たして楽しいのだろうかという不安がありましたが、それはまったく大丈夫でした。
車好きでしたら、もっともっと楽しめるでしょうね。
オープニングの首都高を走るカメラが車をガンガン抜いていくゲーム感覚のシーンからただものでない雰囲気を醸す本作。
やはり公道でのカーチェイスがこの映画の見所でしょう。
菊地雅章のフュージョン系ジャズに乗せて夜の公道を疾走する美樹(江夏夕子)と島尾(見崎清志)の車。
江夏夕子の駆る車はトヨタ200GTだそうです。ふ〜ん。
ヘッドライトが滲む中のカーチェイスの美しさ。昼間の雪の中、氷を弾き飛ばしながらスピンするショットもイメージ的に挿まれる。
あたかも会話を交わしているような2車両の映像は官能的であり、ジャズのインプロヴィゼーションを想起させます。
さて、車より女優さんの方に関心はありますので、そちらに触れます。
小森美樹(江夏夕子)は教官であった島尾に目いっぱい気があるようで、やたら突っかかる跳ねっ返りのお嬢さん。ご本人も運転の腕前は相当なものだそうで吹き替えなしでドライビング・テクニックを見せているとか。
悲惨な最期の手首はもちろん吹き替えです。綺麗な手首でした。
同じく島尾教官に運転を習いにきているキャピキャピのドジ娘が田坂都。
島尾俊也の奥さんで赤子を抱きながら、窓から不安そうに夫を見つめているのが戸部夕子。ストーリーにほとんど絡んできませんが島尾の私生活がちょっぴり覗える。
ジャズ・シンガーの笠井紀美子が島尾のライバルでレース中に事故死したレーサーの妻。
レース場で展開を見つめるショットが何度かと歌うシーンがちょっぴり。クラブで島尾と再会して挨拶をする。ただそれだけですが、そのファンキーな顔立ちがとても印象に残ります。
役者ではなかった(レーサー)見崎清志が神経質そうなクールガイを無難に(上手くと言っても良いでしょう)演じていて小森美樹のあしらいもよろしいのではないでしょうか。
当時流行のフュージョン系というのはあまり好みじゃなかったのですが、時を隔てて、映画のサントラとして聴くと、これが結構、良いかも。
菊地雅章六重奏団も出演。峰康介がソプラノサックスを吹いてます。
菊地雅章:piano, fender piano
菊地雅洋:organ
峰 厚介:sax
鈴木良雄:bass
日野元彦:drums
中村よしゆき:drums
銀座シネパトス