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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ダイナマイトどんどん」

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「生誕88年 ハチ、ハチ、喜八! 岡本喜八監督特集」

「ダイナマイトどんどん」1978年 角川 監督:岡本喜八

昭和25年、九州小倉では昔かたぎの岡源組と新興ヤクザの橋傅組の抗争に業を煮やした警察は、野球の試合で決着をつけることを提案。ルールも守らぬ荒くれヤクザどもの試合は凄まじい喧嘩野球に発展する。

岡本喜八が東映ヤクザ映画のパロディ感覚たっぷりこもった野球スラプスティックコメディという事で、以前から一度観たいと思っていた作品。

なにしろこの豪華なキャストでこれだけおバカなドタバタを撮っちゃうところが岡本喜八監督の素晴らしいところだし、作品としても充分楽しめたんだけど、ちょっと期待を裏切られた感が2、3点ばかしある。

その一つ目が、野球映画の側面。野球の楽しさを期待してしまったのだが、この点は裏切られ。
いや、これは勝手に期待したこちらが悪いのですけど。ルール無用の喧嘩野球では・・・
唯一、野球の魅力を感じられた私の好きなシーンといえば田中邦衛の投球フォーム。マウンドでの動作。
これが笑わせてくれちゃうんです。でも、酒好きが災いして岡源組のたくらみにまんまと嵌ってアブさんの如しの状態。もう大笑い。

もう一つは、肝心のドタバタ乱闘シーンが、ただメチャクチャでダレてしまう所。
これは、前半はかなり面白かっただけに残念。

そして女優陣。宮下順子、伊佐山ひろ子、岡本麗と、これまた豪華なんですが・・・
日活ポルノ組、それなりに好演しているけど、まだこの頃は脱いでナンボの方々ですから。
この頃の宮下順子。この人はやっぱりロマンポルノの女神、申し子なんですね。脱いだり濡れ場を演じるとつくづく美しさが沸き出る方で、本作ではいささか物足りないのです。もちろん艶っぽさは充分なんですけどね。

いやいや、それらの不満点はあるものの、補ってあまりある豪華キャストそれぞれのキャラクター、際立ち!
岡源組組長嵐寛寿郎のふがふが。挑発された賭けに思わず乗っちゃう任侠?、橋傅組組長、金子信雄。
ピンクサテンスーツの橋源組スカウト担当、岸田森。ピンクスーツでイモリみたいに壁に貼りつく。
岡源組コーチは元プロ選手で傷痍軍人、松葉杖のフランキー堺。
菅原文太の人情、純愛。その台詞、姿、動作、どれをとっても茶目っけとカッコ良さが同居していて素晴らしい。
指が無いため、誰にも投げられんないような魔珠を投げる北大路欣也のクールさ。そして、ええ身体しとりまんのや。あの二の腕、腰回り、ややいびつな投球フォーム。
同じような魔球を投げようと真似して指を落とす石橋正次の若き無鉄砲さ。

実にどうも男の本質的バカさ、可愛さに満ち溢れた愛すべき作品なんですね。

深作監督の「仁義なき戦い」シリーズとの二本立てで観たら、もっと堪らん事になるでしょうな。

銀座シネパトス





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