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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ジャズ娘に栄光あれ」

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「素晴らしき哉、SHOWBIZ人生!」

「ジャズ娘に栄光あれ」1958年 東宝 監督:山本嘉次郎

一流の歌手を目指して上京してきた娘が、職を求め苦労しながらも、遂にその第一歩を踏み出すまで。野性的なフィーリングと洗練された美貌!カリプソの女王・浜村美智子の魅力がギュッとつまったミュージカル青春篇。
夜更けのOKテレビの前に支那ソバ屋の屋台車を出している民爺さんの眼前に身なりの貧しい、若い娘が現れた。この娘、島村美奈子といい、歌手を夢みて大阪から家出してきたという。気さくな爺さんは美奈子をテレビ・プロデューサー秋田に紹介するが問題にされない。が、このとき入ってきたスタア芸能新聞の記者千葉栄子は美奈子の顔に見覚えがあったので秋田にテストを勧め、彼女の後を追ったが姿を見失った・・・・。

今回のラピュタのSHOWBIZ特集は本当に素晴らしいね。ザ・ピーナッツ、渡辺マリときてついにカリプソの女王・浜村美智子。私の生まれる前後、昭和の良き時代の音楽シーンを堪能できて感激。

神宮の杜から駆けつけて、ギリギリ間に合うかとラピュタに着いたら満席寸前。危なかったぁ。
知らなかったけどこの日はトークショー付きだったのでした。しかも浜村美智子さんご本人。
後部関係者席でご本人も鑑賞。

実を言うと浜村美智子さんに関しての情報はほとんど持ってませんでした。
あまりに有名な「バナナ・ボート」ナツメロ特集で粋なラテンおばちゃんが歌う姿を見ていましたけど、単なるラテン・ブームに乗った一発屋のイメージしか持っていないという大変、失礼な奴でございました。

浜村さんは役者としては素人でぎこちないのだけれど、その天然さをうまく活かした絶妙のユーモア。
脇役陣の醸しだすユーモアもとても不思議な世界で終始、クスクス笑っちゃう。
取り立てたギャグを連発するわけでもないのに、いいですねこの雰囲気。

1か所だけ、ぶっ飛んだギャグが使われています。益田喜頓に言いよられた即席芸者の島村美奈子(浜村美智子)が何故か懐に爆弾を持っていて狸の置き物に向かってドカーン!これって、いったい何なんでしょ?

浜村さんの妖しい魅力はエキゾチックを通り越しています。まさに何処から来たのか(実際は大阪のやきとりキャバレーから来たんですが)異星人の如し。
そうです、女版の「地球に落ちてきた男」デビッド・ボウイ級です。
軽い感じでラーメン屋台の山茶花究の家に転がり込むのが良いです。

後ででグラビアやレコードジャケットを検索しまくりましたが、かなりフォトジェニックな方のようで、単純に美しさの点で言えばグラビアやスチールの方がスクリーンより何倍も魅力的。











脇役の中では取り分け、やきとりキャバレーのおかみさん夫婦役のミヤコ蝶々、南都雄二先生。
2人の掛け合いも楽しめるんだからお得です。漫才の立ち位置そのままで、もう最高ですね、先生。

ストーリーはまさに公開前年ブレイクした浜村美智子のサクセスストーリー。
時代を感じさせるのは、モデルとしての成功がレコーディングにすぐに結びつく事がない。それだけ浜村さんの存在が当時としては新鮮だったという事が窺われますね。日本最初のビジュアル・クイーン。
そういった時代背景に秋田先生(小泉博)の千葉栄子(白川由美)に対する意地が重なって、島村美奈子は歌手デビューになかなかこじつけられない。この辺りのもどかしさに身悶えしそう。
「名前が売れてしまったため歌手デビューできないんです」だなんて・・・

やはり焦点は歌唱という事になります。歌声は劇中、白川由美も言うように何か恨みを持ったようなアルト。
「バナナ・ボート」だけでなく
「監獄ロック」「カリプソ娘」「ダーク・ムーン」「ラテン・アレンジの民謡メドレー」「ラーメンソング」なども楽しめ、どれも素晴らしい。
「ダーク・ムーン」では天下の千両役者宝田明がコーラスでエスコート。

こちらも後からamazonで視聴しましたが、けっこう良い曲が揃っているじゃありませんか。
マーケットプレイスでちょいと高いが思わずポチっとね。

カリプソ娘

貧しい姿でラーメンを売る歌は入ってないのが残念。

Michiko Hamamura 浜村美智子 / VENEZUELA

時代を感じると言えば、当時のテレビスタジオ風景も、新しい物を生みだすワクワク感に溢れていますね。
生放送ばかりだからフィルム合成で出演していた久慈あさみが急に現れて驚いたり・・・
当時のスタジオ防音状況ってあんなもんだったんでしょうか。外のチャルメラの音を拾ってしまうなんて・・・

トークイベント
現在も時にライブ活動で歌やダンスを披露しているという現役の浜村美智子さん。
赤いジャケットにショート・パンツ姿に何の違和感も無い所は流石エンターティナーです。
登場いきなり、バナナ・ボートの冒頭(しかも音程ミス付き)を歌ってくれる大サービス。これはお得なトークショーでした。
バック・コーラスの男性4人のうち3名は既に鬼籍にはいっておられるそうで、「天国から皆を呼んで一緒にこの場所で挨拶したかった」とおっしゃっていました。
若い頃のお話はまさに映画のように右も左も解らない娘がそのまま歌に賭けた青春という感じ。
浜口庫之助とアフロ・クバーノ、ハナ肇、沢田駿吾、パティ・ペイジ、東郷青児やらスターダストのホーギー・カーマイケル・・・
出てくる名前の錚々たるメンバーに驚きますが、ご本人、当時はまったく判ってなかったみたいで・・・
浜村美智子さんまだまだお若いけど74歳。生歌まで聴けてラッキーでした。



往年の美女の年老いた姿はガッカリする事もありそうなもんですが、今回は大満足。

浜村 美智子 30年早すぎた登場! 本名は、浜村美知子、1938年10月3日、大阪・玉造生まれ。

【昭和スター倶楽部】プロマイドギャラリー 浜村美智子





ラピュタ阿佐ヶ谷

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