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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「黒の挑戦者」

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「復活!!久保菜穂子」

「黒の挑戦者」1964年 大映 監督:村山三郎

真夜中、女からの助けを求める電話で弁護士の次郎が現場に駆けつけると、女は既に死んでいた。唯一の手掛かりである秘密パーティーに潜入した次郎は・・・。ピアノ演奏、タキシード、ベンツ、ブランデー、仮面舞踏会と、キザ度マックスのエリート弁護士・次郎役の田宮次郎はまさにドンピシャ。その次郎を誘惑する妖艶な謎の女社長に扮する久保菜穂子もまたお見事。黒シリーズの第8作目。

田宮次郎の私立探偵もの・・・っても弁護士なんだけどなぁ。
それにしてもオープニングが素晴らしい。サスペンスのオープニングとしては満点。
ホテルの一室、脱ぎ散らかされた女の服。ラジオから激しい音楽。浴室から女が出てきて産むの産まないの・・・
ベッドを見て驚愕の表情。血まみれの男の死体。ラジオを消すと暴風の音。揺れるカーテンの向こうは賊の逃走?暴風で戸がガタピシとなる事、数回。女の顔はライティグをアッパーにしてほとんどホラー、紺野ユカの肉感的表情がエロい。カーテンを開けると外は猛吹雪。---タイトル・インと同時にジャズのテーマ・・・

その後の展開もテンポが良くて洗練されてる感があるのだけれど、脚本の内容は?
これは淫微なエロ表現も多く無国籍感を醸し出していますが、何か物足りない。
キザで固めた田宮次郎。ブランデー片手にヌードグラビアを眺めている。ただそれだけで情けない。据え膳あっても食いません。
怪しげな仮面パーティー。人間競馬。
美脚がズラっと並んでより取り見取りの売春。
謎の女社長、久保菜穂子は田宮次郎に本気で惚れているようですが、ラブシーンもベッドシーンも無し。脱ぎも無し。
煙草に火を付ける。枕に隠したピストルを向ける。
美脚で選ばれた経緯だが、脚だけなので久保菜穂子である必要なく、当然吹替えなんでしょうし。
ジェームズ・ボンドがすぐに女とよろしくなっちゃうのはちょっと妬けて、やってらんない感を覚えたりするけれど、やっぱりあれが無いとつまらないと言う事がよく解りました。

結局、謎の組織も謎の女社長もなんだかモヤモヤ謎のままだし・・・

田宮次郎と恋愛関係だという助手の京子君(坪内)が小便臭くてとにかくウザイ。
「センセイなんて大嫌い!」「センセイのバカ!」「んっ、センセイの意地悪!」
なですか、これ?
キザな主人公と釣り合いが取れない事甚だしい。マスコットとして考えてもウザすぎ。

悪に憎悪を燃やす田宮次郎。ファンには堪らない作品と思えます。
次郎を殺し、逃げ延びる道があったのに、最後は次郎を殺せず自ら仕掛けた拳銃で自害。女社長の純愛?
久保菜穂子、田宮次郎に突き飛ばされて「キャ!」とよろけるシーンがある。

そんなわけでオープニング命の「黒の挑戦者」でした。

シネマヴェーラ渋谷


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